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第四章
お寿司
しおりを挟む出来上がった寿司をもって、みんなのもとへと向かった。さてさて、どんな反応を見せてくれるだろうか?
「みんなお待たせ、今日の夕ご飯できたぞ。」
そう声をかけると、真っ先にシアがこちらに走ってきた。
「今日はお刺身っ?」
シアはそう満面の笑みで聞いてくる。最近魚と言えば刺身というのが続いていたからな。今日も刺身と思われてしまっているのだろう。
「ん~、惜しいけど外れだな。今日はちょっと違う料理を作ったんだ。」
「ふえっ?お刺身じゃないの?」
「お刺身じゃないっす!?」
シアだけでなく、グレイスまで刺身じゃなかったことを驚いていた。
「お刺身じゃないなら、今日は何を作ったのかしらね?」
「ヒイラギのことだからねぇ~、また予想を上回るような料理が出てくるのかもよ?」
「ふふっ♪それはそれでとても楽しみですねっ。」
「ぱぱの…おりょうり…たのしみっ!」
期待を込めながらドーナ達がこちらへ歩いてくる。
「お姉様は何が出てくると思う?」
「え~?どうかしら、ヒイラギの料理っていろんなのがあるからちょっと判断が難しいわね。シン、あなたはどう思うの?」
「むっ!?我か……我は先ほどの塊の身を豪快に焼いたと予想するぞ。いや、むしろ我はそれがいい!!」
完全にシンの予想を裏切るような形になってしまったが、きっとこれも喜んでくれるはずだ。
そして皆が席についたところで、皆の前に蓋がされた重箱を置いた。
「すごい‥‥綺麗な箱ね。」
「これは重箱っていってな、この中に今日の料理が入ってるぞ。」
「楽しみ~!!」
「わくわく…ぱぱっ…はやくあけて?」
待ちきれない様子のシアとメリッサ。身を乗り出して今か今かとこの蓋が開けられるのを待っている。これ以上焦らすのはかわいそうだから開封するか。
重箱の蓋に手をかけてゆっくりと開けた。そして中に入っている料理に皆の視線が一気に降り注ぐ。
「こ、これってもしかして……お寿司ってやつじゃないんですか!?」
鼻息を荒くしながらイリスが聞いてくる。
「正解、これは寿司っていう料理だ。お刺身をご飯と一緒に握っただけのシンプルな料理だが、その分素材となる魚の美味しさを、より感じることのできる料理なんだ。」
今回使ったネタはとても良いものだったからな、きっととても美味しいはずだ。
「さて、それじゃあご飯が乾く前に食べるぞ。」
そして俺が手を合わせようとすると……すでに皆手を合わせていて残っていたのは俺だけだった。
「俺待ちだったか……それじゃ、いただきます。」
「「「「「いただきますっ!!」」」
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