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第四章
解体ショーの準備
しおりを挟む昼ご飯を食べ終わった俺は、再び厨房にてある作業を進めていた。
「ふぅ、これでよしっと。」
ブラックファッティの腹を開いて内臓を取り出し、中を綺麗に洗っていたのだ。
「あとはこれを皆の前で捌くだけだな。」
これだけ大きいやつを捌くなら、マグロ用の大きな包丁が欲しいところだが……そんなものを買えるほど、働いていた時の給料は多くなかったから、持ち合わせの道具でやるしかない。
「最悪骨が切れそうになかったら、こいつがあれば大丈夫だろ。」
そう、俺には魔包丁レヴァがある。こいつを使えば太い骨でも一発で切れるはずだ。出刃包丁でもできないことはなさそうだが……刃が欠けるのは嫌だからな。
「さて、ホールでセッティングをするか。」
一度ホールに出て、ブラックファッティの解体ショーをするためのスペースを作り始めた。
テーブルを何台か繋げ、その上にラップを張り巡らせていく。せっせとブラックファッティを捌くためにセッティングをすすめていると、物珍しそうな表情を浮かべながら、シアとメリッサの二人がこちらにやって来た。
「お兄さん、なにしてるの~?」
「ぱぱ…なにしてるの?」
「これから皆にちょっと面白い見せ物をしようと思ってな。」
そう言うと二人は目を輝かせながら言った。
「楽しみっ!!」
「ぱぱ…はやくっ…はやくみたいっ!」
「ちょっと待っててな、あとは切り分けた部位を入れる大きいバットを何枚か用意して……。よし、これで準備万端だ。」
さて、それじゃあ始めるか。俺は厨房から内臓を抜いて、綺麗に洗ったブラックファッティを持ってきて、ラップを敷いたテーブルの上に置いた。
「ふわあぁぁ~、おっきいお魚さん!!」
「わたしより…おおきい。」
大きな魚体のブラックファッティに、シア達は少し驚きながらも興奮が隠せないようだ。シア達の声を聞いて他の皆も集まり始めた。
「なになに?今から何が始まるの?」
「ずいぶん大きな魚だねぇ、もしかして今からこれを解体するのかい?」
「その通りだ。今から皆の前でこいつを捌くぞ。」
「こんなおっきいお魚……どうやって解体するの?」
フレイがふと疑問に思ったのかそう聞いてきた。
「まぁ、見ててくれ。ちゃんとこういう魚に適したやり方ってのがあるんだ。」
愛用している出刃包丁を手に取り、一つ息を吐き出しながら集中する。そしてブラックファッティに包丁を当てた。
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