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第四章
心境の変化
しおりを挟む「それでは明日の早朝に、この街の関所の前で落ち合うという形でお願いします。」
「了解した。貴公はこれからどうするのかね?」
「俺はこれから一度拠点に戻り、仲間に報告をしてきます。では、お先に失礼します。」
そして明日の早朝、マーレの関所前で落ち合うことを決めて、エートリヒの屋敷を後にした。
「ふっ、まったく人使いが荒いやつだな。」
部屋を出ていったヒイラギを見てバイルがそう呟いた。
「えぇ、ですがこの短期間でここまで準備を整える算段ができたのも、彼の策略のおかげですよ。」
苦笑いするバイルを見て、カムジンはそうヒイラギの功績を評価する。
「そのおかげで久しぶりに若い頃を思い出した。ここまでのしあがるために、各地を休む暇なく駆け回っていた頃を……。」
カムジンに続きダグラスが呟く。
「おや?ダグラス、君は最初の頃はこの革命に反対していたが、なぜだろうね今の君は以前とは違うスッキリした顔をしているな。」
「いや、やはり間違いは正さねばと思っただけのことですよカムジン殿。」
目をつぶり軽く口角を上げて答えるダグラス。確かにカムジンの言うとおり彼の顔にはもう迷いは無さそうだ。
「おうおう、いい顔になったじゃねぇか。どうだ?このままオレの兵士と一緒に訓練でもするか?」
悪戯な笑みを浮かべながら、冗談混じりにバイルはダグラスに言った。
「いや、それは遠慮しておこう。バイル殿の訓練は壮絶……と上層部でも噂だからな。」
「なっはっは!!んなことはねぇよ。あれぐらいこなせないようじゃ、国を守る兵士になんざなれないからな。」
豪快に笑いながらバイルは言う。
「もしや、バイル殿が戦争を止める理由というのは、部下の兵士を守るためか?」
何かに気がついたかのように、ダグラスはバイルに問いかける。
「当たり前だ。兵士ってのは国を守るためにいるんだ。くだらねぇ戦争なんかで、命を落とさすわけにはいかない。いくら命は国に預けてるとはいえ、あいつらは戦争の道具じゃねぇ。」
「まったくバイル殿の言う通りだな。……今の陛下は国民をどのように思っておられるのだろうか。」
「そいつはわからねぇな。この革命に終止符が打たれたら直接聞いてみればいい。」
「……それもそうか。」
現国王の気持ちを考え、再び頭を悩ませるダグラスだった。
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