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第四章

地震

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 メリッサの邪魔をしないよう、静かに料理本を読み漁っていると、カタカタとハウスキットの中にある食器や棚が揺れ始めた。

「ん?地震か?」

 皆も揺れに気がつき、辺りをキョロキョロと見渡している。大きくならなければいいが……と、思っていたその時一際大きく地が揺れた。
 立っていられないほどの衝撃に思わず膝をつく。

「みんな!!テーブルの下に入れっ!!」

 俺の声に従ってドーナ達はテーブルの下へと身を隠した。この揺れだと上から物が落ちてくるかもしれないからな。ハウスキットには天井にシャンデリアもあるから危ないんだ。
 そしてぐらぐらとした揺れが収まった後、テーブルの下から顔を出した。

「収まったか……物は落ちてないっぽいな。」

 食器棚を確認するが、割れているものは無さそうだ。しっかりと戸締まりしておいてよかった。

「お兄さん、もうここからでても大丈夫?」

 ひょこっとテーブルの下からシアが顔を出して言った。

「あぁ、もう大丈夫だ。みんなも出てきていいぞ。」

 そしてみんなもテーブルの下から這い出てきた。

「すごい揺れだったわね。」

「立ってられなかったよ。」

「安心するのはまだ早いぞ。こういう大きな地震の後には、津波が来るかもしれないんだ。」

 まさか、女神シルケーが言っていたのはこれのことか!?だが、イリスは大勢の人が死ぬような物ではないと言っていた……それを証明するように、イリスは今もにっこりと笑顔のままだ。

「本当はやっちゃいけないんだが。ちょっと海の様子を見てくるよ。」

 日本なら津波警報があるから、事前に逃げることはできるが、この世界にはそういうシステムはない。だから目視で確認するしかないのだ。
 かなり危険だが、今のステータスで全力疾走すれば見てから逃げることも可能なはず。

 ラン達にもしもの時に備えておくように伝え、ハウスキットを飛び出した。そして一目散に海が見える位置まで走る。
 津波の予兆は潮の異常なまでの引きようだ。その他にも水位が極端に下がるなどの予兆がある。その予兆があったら、すぐに戻って避難する準備を整えないとな。
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