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第四章
日本語勉強中!
しおりを挟むまさか、こんな短時間で平仮名を理解して、書けるようになるとはな。
「すごいな、他の文字も書けるか?」
「うん…もうほとんど…かける。でも…これ…わかんない。」
そう言ってメリッサが指差したのは漢字だ。
「あ~、それはわかんなくて当然だ。意味を勉強しないといけないからな。」
「どうすれば…いい?」
「え?まさか勉強したいのか?」
「うん…ぱぱのせかいの…ことば…きになる。」
キラキラとした眼差しで俺のことを見つめてくるメリッサ。せっかく興味を持ってくれたんだから、無下にはできないな。
「わかった。それじゃあメリッサにいいのをあげるよ。」
席を立ち、本棚へと向かい一冊の分厚い書物を抱えてメリッサのもとへと戻る
「ぱぱ…なにそれ?」
「これはな、国語辞典……って言って、俺のいた国の言葉の意味や使い方がすべて書いてある本だ。メリッサが読めない漢字には、しっかりと振り仮名がふってあるし、多分読めると思う。」
「かしてっ…かしてっ!」
両手を伸ばし必死に俺が持つ国語辞典を取ろうとするメリッサ。
「重いから気を付けるんだぞ?」
「うん…わかった。」
そして国語辞典を受け取ったメリッサは、一心不乱に目を通し始めた。これは話しかけない方がよさそうだ。
それにしてもまさか、こんなに日本語に興味を持つとは意外だった。
「ふふ、メリッサちゃんはきっとヒイラギさんのことが気になるんですよ。」
正面のソファーにイリスが腰かけてそう言った。
「俺のことが気になる?」
「ご自分ではあまり自覚がないかもしれませんが、ヒイラギさんのことを皆さん知りたがっているんですよ。何と言っても、もともとはこの世界とは違う世界の人間ですから!」
「そう……なのかな?」
「ふふっ♪そうですよ、ですから皆さんの質問にはたくさん答えてあげてくださいね?」
そうにっこりと微笑みながらイリスは言った。
「あぁ、もちろんだ。」
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