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第四章

フルーツの試食

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 今晩食べる魚は決まったし、辺りの店もあらかた見尽くしたから、そろそろ野菜を買いに行くか。
 そして市場の奥の方へと足を運ぶと、海風に乗ってほんのりと甘い香りが漂ってきた。

「お?匂いが変わったな。」

 市場の匂いが変わるということは、売り場が変わるということ。つまり、ここから先が青果を扱っているお店があるようだな。

 そして見えてきた店の店頭には、たくさんの色とりどりの果物や野菜が並んでいた、。

「果物がいっぱいだぁ~!!」

 くんくんと鼻で甘い香りを嗅ぎながら、フレイが並べられた果物を目を輝かせ眺めている。

「お嬢ちゃん達、良かったら味見してくかい?」

 果物を眺めていると、ご高齢の女性店主が気を利かせてくれた。

「いいのっ!?」

「あぁいいとも、好きなのを言ってごらん?」

 にっこりと微笑みながらそういってくれた。

「すみません、ありがとうございます。」

「いいんだよぉ~、それよりお礼を言うぐらいなら何か買ってっておくれ?」

「えぇ、ぜひ。」

 これだけ良くしてもらったら何か買わないとな。

「えっと、えっと……じゃあシアこれっ!!」

「わたしは…これ。」

「ボクはこれっ、お願いします!!」

「では私はこれで。」

「はいよ、ちょっと待ってておくれ。」

 シア達が選んだ果物を一つずつ手に取り、店主は店の奥へと行った。そして少しすると、皿に綺麗に切り分けられた果物を持って戻ってきた。

「はいよ、好きなだけ食べてきな。」

「おばあちゃんありがとう!!いただきま~す!!」

 お礼を告げて、みんな果物を食べていく。

「んっ!!甘い……これとっても甘くて美味しいよ!!」

 自分が選んだ果物を一口食べて、フレイは大きく目を見開いて言った。それを見た店主は笑顔で言う。

「そうだろう?うちにあるやつは、全部美味しさは折り紙つきだよ。」

「あみゃあぁぁい……おいし~い♪」

「もっと…いっぱい…たべたい。」

「これは紅茶と一緒に食べたら、もっと美味しそうですっ♪」

 と、フレイ以外の皆も大絶賛している。

「それじゃあ、皆が選んだやつを5個ずつ下さい。」

「はいよ、毎度あり。全部で銀貨60枚……って言いたいとこだけど、たくさん買ってくれたから50枚にまけとくよ。」

「ありがとうございます。じゃあこれで……。」

 そして金貨一枚を手渡し、お釣りと果物を受け取った。

「また来ておくれ。」

「おばあちゃん、ばいば~い!!」

「ごちそうさま…でした。」

 再び店主にお礼を告げて、別の店へと向かった。
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