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第四章
タンドリー風スペアリブステーキ
しおりを挟む「みんなお待たせ。」
みんなの前にできたてのタンドリー風スペアリブステーキとご飯、スープを並べていく。
「骨付きのお肉っす~!!」
「うむ、食欲をそそるいい匂いだ!!」
シンとグレイスの二人は、目の前に置かれたスペアリブステーキに今にもかぶりつきそうな位、食い入っている。
「ホントいい匂いね~、でもどこかで嗅いだことがある匂いだわ?」
スンスンと鼻を鳴らしながら首をかしげているランに、この香りの正体を教えた。
「お?気が付いたか?この肉はカレーの粉で味付けしてるんだ。」
「あぁ!!どおりで嗅いだことがある匂いだと思ったわ~。食欲をそそる香りよね~。」
香りの正体を聞いて納得したようにランは言った。
ランと話していると俺の隣に座っているメリッサが、くいっと服の袖を引っ張った。
「ぱぱ…ぐれいすが…たいへん。」
「んあ?あぁっ!?グレイスッよだれ、よだれっ!!」
今にもグレイスのよだれが料理にポタリと垂れそうになっていた。
「はぇ…あっ!!」
慌ててグレイスは口元を拭う。危ない危ない、あと少し声をかけるのが遅かったら、料理によだれが垂れるところだった。これ以上シンとグレイスを待たせるのは危険そうだ、早いとこ食べ始めよう。
「さてじゃあグレイスも我慢できないみたいだし、そろそろ食べるとするか。」
いつものように手を合わせると、みんなもそれに続いて手を合わせた。
「いただきます。」
「「「いただきま~すっ!!」」」
そして待ってましたとばかりにグレイスとシンは豪快にスペアリブにかぶりついた。
「最高に美味しいっす~!!」
「うむ!!うまい……うまいぞっ!!ヒイラギ、おかわりはもちろんあるのだろう?」
「あぁ、ちゃんと用意してるよ。だからたくさん食べていいぞ。」
絶対におかわりは出るって、予想は立ててたからな。あらかじめ余分に焼いておいた。それにおかわりするのは、シンやグレイスだけじゃないだろうしな。
ちらりと回りを見てみると、二人以外のみんなもなかなかのスピードで食べ進めていた。
さて、おかわりで忙しくなる前にこっちも食べてしまおうかな。俺も回りのみんなに負けじと、シーデビルのスペアリブステーキにかぶりついた。
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