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第四章
もう一人の転生者
しおりを挟むたっぷりと遊んだ後、ハウスキットに戻ってきた俺は、真っ先にイリスに声をかけた、
「イリス、ちょっと話があるんだがいいか?」
「もちろんですよ~。」
イリスの分と自分の分の紅茶を淹れて、ソファーに腰かけた。
「紅茶でも飲みながら聞いてくれ。」
「ありがとうございます。」
そして俺はあの事について切り出した。
「イリスは前に、俺以外をこの世界には転生させてないって言ってたよな?」
「はい、私がこの世界に転生させたのはヒイラギさんただ一人です。」
「だが、どうやら俺ともう一人転生者がいるらしいんだ。」
その言葉を聞いたイリスは思わず、ガタッと音をたてて立ち上がる。
「そんなはずありません。いえ、でもまさか……。」
「まぁ落ち着け、それも含めて今から話すんだから。」
「す、すみません、取り乱しました。」
落ち着くよう促されたイリスは、すぐに落ち着きを取り戻し再びソファーに腰を預けた。
「で、その俺以外の転生者っていうのは……。」
「前に言ってた人…ですね?」
流石にイリスも、話の流れから察しはついていたようだ
「あぁ、それでなぜ、イリスが転生させてないのに俺以外に転生者がいるのか、って問題だがそれには死の女神が深く関わっているらしい。」
「やはり……そうでしたか。」
「何か心当たりでもあるのか?」
「……死の女神が魔物を産み出すときに使う力の源、ヒイラギさんはそれが何か分かりますか?」
少し間を置いてからイリスは話し始めた。死の女神が魔物を産み出すときに使う力か……今まで魔物なんて、死の女神が片手間で産み出せるものだと思っていたから、考えたこともないな。
「いや、あいにくわからないな。」
「彼女が魔物を産み出すときに使う力は、人の負の感情をもとに作られているんです。」
「人の負の感情か。」
「その感情が強ければ強いほど、より強力な魔物が産まれます。前々からその負の感情の源が、いったい何なのか私達女神の間で物議が醸されていたんです。そのなかで一番有力だったのが、不幸な死を遂げた人の魂から搾取することだったんです。」
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