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第四章
深まる謎
しおりを挟むフードの女が去っていくと、遠くの海で様子見をしていたブラックフィッシュ達が続々と海岸の方へと近寄ってきた。
「キュイッ!!」
「おう、相変わらず元気みたいだな。」
ブラックフィッシュの頭を撫でていると、俺の頭の上に何かもふもふしたものが乗っかってくる、
「ん?」
視線を上に上げると、そこにはメリッサの配下のハチがいた。頭の上にいたハチにあることをお願いした。
「メリッサにもう危険は去ったって伝えてくれないか?」
そうお願いすると、ハチはまるで敬礼をするかのように前足をおでこに当て、メリッサの方に飛んでいった。
それから少しすると、みんながこちらにやってくる。
「お兄さ~ん!!」
「ぱぱ…ぶじ…よかった!」
凄まじい勢いでこちらに飛び込んできた二人を受け止めると、それに続いてドーナ達もやってくる。フレイはよほど焦っていたのか、釣り竿の先端に魚がついたまま、こちらに走ってきていた。
「ヒイラギ、大丈夫?」
「怪我はないかい?」
「あぁ、大丈夫だ。今日は戦ってないから。」
そう言うと、みんな安心したのか、大きく安堵のため息を吐き出した。
「それにしても、フレイ……随分大きな魚を釣ったな。」
「え、あっ!!すっかり忘れてた。」
フレイの釣り竿から魚を外してバッグにしまう。
「ドーナ達はまだ釣ってないのか?」
「ま、まだ……釣ってないだけよ。きっとこれから釣れるんだから!!」
「そ、そうだよ。まだ勝負はこれからさ……。」
「シア達は俺に任せて、釣りを楽しんできたほうが良いぞ?もう脅威はないからな。」
「じゃ、じゃあ行ってくるわ!!今度はあっちの釣り場で釣るわよ!!」
「アタイだって負けないだから!!」
そしてフレイに負けじとドーナとランは、また新たな釣り場へ走っていった。
「フレイはどうする?」
「ボクは大きい魚も釣ったし、もうヒイラギさん達と遊ぼっかな。」
「そっか。」
そんな事を話していると、こちらの意図を読み取ったのか、ぞろぞろとブラックフィッシュ達がやってきた。
「お魚さ~ん!!」
ぴょーんとシアが飛び込んでいくと、一匹のブラックフィッシュが優しく受け止めた。
「わたしも…いく!」
シアに続いてメリッサもブラックフィッシュの背中に乗った。
フレイがどうやって乗ろうかとモジモジしていると、彼女の近くまで寄ってきたブラックフィッシュがスッと背中を差し出してきた。
「えへへ、ありがと。」
みんなが乗った所で、俺もブラックフィッシュの背中に跨った。
「じゃあ今日もよろしくな。」
「キュイッ!!」
それから俺達は、ブラックフィッシュと一緒に泳いだり……彼らの狩りに同行したりして、楽しい時間を過ごすのだった。
しかし、楽しい時間を過ごしている間も……俺の中であのフードの女に対する疑念は晴れなかった。
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