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第四章

ホーンフィッシュで朝食を

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 今日はこのホーンフィッシュをふんだんに使って、朝御飯を作ろう。身質がカジキに近い感じだから、同じ料理が作れるはずだ。

「まずは定番のお造りからだな。」

 このホーンフィッシュは凄い脂がのっているから、醤油が弾かれてしまいそうだ。こんな風に脂がのっている魚でお造りを造るときは、隠し包丁を少し入れてあげるといい。
 そうしてあげることで、醤油が脂に弾かれにくくなって、美味しく食べることができる。

「ひとまず切って、一枚一枚軽く隠し包丁を入れる。」

 手間がかかる作業だが、この作業をするだけで味が数段美味しくなる。そして切りつけたお造りを器に盛り付けて冷蔵庫で冷やしておく。

「これでよしっ、次はこの中落ちを使おう。」

 先程こそぎ落とした中落ちを包丁で叩いてミンチ状にしていく、そこに醤油、味噌、生姜、少量のニンニクで味をつける。
これでホーンフィッシュのたたきの完成だ。

「今日はお造りと更にもう一品、ホーンフィッシュの照り焼きを作ろうか。」

 ホーンフィッシュに塩を振って、下味をつけると共に余分な水分を抜いていく。塩が馴染んで水分が出てきたら一度キッチンペーパーで拭き取り、少量の油をしいたフライパンで表面に焼き色をつける。

「そしたら味醂、酒、醤油、砂糖で味を整えて……照りよく仕上げれば完成だ。」

 ちなみにパサつきやすい魚を照り焼きなどにする場合、一度高温の油で揚げると多少ジューシーになる。今回はホーンフィッシュに、凄い脂がのっていたからやらないが……。

「後は味噌汁を作ってご飯を盛り付ければ終わりだな。」

 せっせと味噌汁を作ってご飯を盛る。そしてご飯の上にホーンフィッシュのたたきを盛り付けて、卵黄を一つ落とした。更にこの上からいりゴマを振りかければ……。

「ホーンフィッシュのたたき丼完成だ。」

 完成した料理をお盆にのせて、皆が待つテーブル席へと向かった。

「今日は昨日ドーナが獲ってきてくれた、ホーンフィッシュで料理を作ったぞ~。」

「あらそうなのね?お刺身に……これは?」

「照り焼きとたたき丼だ。」

「照り焼きって、前に鶏肉でやったやつだよねぇ?」

「あぁ、今回はタレをからめながら焼いたから、しっかり味が染み込んでいるはずだ。」

 鶏肉の皮をパリパリのまま食べれるようにしたかったから、前はタレをつけて食べるようにしたんだよな。

「お刺身食べたいっす!!」

「お兄さん、早くいただきますしよ?」

「あぁ、そうだな。」

 シアとグレイスに急かされながら、皆で手を合わせた。

「いただきます。」

「「「いただきます!!」」」

 そしていつもの挨拶とともに、今日の朝ご飯を食べ始めた。

 早速お造りを食べた面々は、食べた瞬間溶けていく不思議な感覚に驚いている。

「すごいすごいっ!!お口の中で溶けちゃった!!」

「ふしぎ…でも…おいしい。」

「これなら無限に食べられるっす~!!」

 シア達はキラキラと目を輝かせながら、お造りを食べ進めている。

「この照り焼きは優しい味で、朝ご飯にいいねぇ。ご飯にも合うし、最高だよ。」

「ね~?ホント美味しいわ。」

「むむむ……この味はミクモ殿が好みそうな味だ。だが、今日は安心して食えるな。」

 みんな味わいながら、朝食を食べ進めていると、俺の前に3つご飯茶碗が差し出された。

「ヒイラギさん、おかわり…頂けますか?」

「ボクも~!!」

「私にも頂戴よ。」

 さっきから黙々と食べ進めていると思ったら、この三人はもう既に食べ終わってしまったらしい。

「わかった、ちょっと待っててな。」

 そして本日もみんな沢山おかわりして、ホーンフィッシュを味わったのだった。
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