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第四章
潮祭
しおりを挟むそして何事もない平和な数日間経て、とうとう潮祭当日を迎える。ルーカス達とは、夜にエートリヒの屋敷で落ち合うことになった。
幸いなことに、彼らは再び洗脳されることなく自身が仕える重役達を、この街に連れてきてくれたのだ。これで作戦の成功に大きく一歩踏み出すことができる。本当によくやってくれた。
今日は、夜までは何もすることがなく暇なので、今はドーナ達とみんなで潮祭を楽しみに来ていた。
「ふわあぁ……お店がいっぱい!!」
「ひとも…たくさん」
街の大通りにはたくさんの出店が並び、人が溢れかえっている。お祭り特有のとても賑やかな雰囲気だ。
「二人とも迷子になっちゃうから、手を離さないようにな?」
俺は迷子を防止するために、シアとメリッサの二人と手を繋いでいる。これだけたくさんの人がひしめいているからな、この中で迷子になられたら探し出すのは至難の技だ。
「うん、わかったぁ!!」
「ふふ…ぱぱのて…あったかい。」
そしてはぐれないように気を付けながら、大通りを進んでいると……。
「お兄さん!!あれやりたいっ!!」
シアが指差している出店を見てみると、何やら棚にたくさんのぬいぐるみが置いてあり、その一つ一つに番号が書いてあった。
「くじ引き屋みたいなものか?」
近くに行ってみると……。
「いらっしゃい!!一回銀貨5枚でこの中のどれかが当たるくじが引けるよ~!!」
一回銀貨5枚か日本円にして500円ほど……ちょっとお高めだな。
「お兄さん!!シアあれほしいの!!」
シアが羨望の眼差しで見つめるのは、棚の一番上に置いてある、大きなブラックフィッシュのぬいぐるみだ。
「当たるといいな、取りあえず10回分頼む。」
「毎度ありっ!!じゃあこの箱の中から10枚紙を引いていいよ。」
そう言って店主はちょうど手が入る位の大きさの穴が開けられた、四角い箱をシアに差し出した。
「じゃあ…これと、これと~。」
シアは吟味しながら一枚ずつくじを引いていった。そして10枚引き終わり、確認してみると……。
「あちゃ~お嬢ちゃん残念だったね~。全部ハズレだ。」
「ふにゃ……あたんなかった。」
狙いのぬいぐるみどころか、何一つ当たらなかったシアはしゅんと落ち込んでしまう。
「大丈夫だ。まだチャンスは残ってるぞ?」
再び店主に銀貨を50枚渡し、10回分のくじを購入する。
「お兄さんありがとう!!今度こそ当てるの!!」
そしてシアは再びくじを10枚引いた。その結果は……。
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