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第四章
ボンゴレ入りペペロンチーノ
しおりを挟む今回パスタに使うのは、玉ねぎに鷹の爪、刻みニンニクに、この前海岸で採れた貝だ。
主な切りものは玉ねぎと鷹の爪だけだな。
玉ねぎは少し厚めにスライスして、鷹の爪は細く輪切りにして切りものはお終いだ。
「よし、じゃあお湯を沸かしてパスタソースを作ろう。」
今回はシンプルにペペロンチーノソースにする。トマトソースとか、カルボナーラソースも悪くはないが、今のみんなには少し重すぎるだろう。
だから今回はシンプルに作ろう。
「まずはオリーブオイルと刻みニンニク、そして鷹の爪を弱火でじっくり炒めて香りを出していく。」
ニンニクは強火で一気に加熱してしまうと、香りが飛んでしまうため、弱火からじっくりと加熱するといい。そして十分に香りが出たら、殻から外した貝とスライスした玉ねぎを入れて炒める。
見栄えを意識するなら、貝は殻付きで入れた方がいい。だが、今回は食べやすさ重視して殻から外した。
そして玉ねぎがしんなりとしてきたら、少し水を入れて塩とブラックペッパーで味を整える。
「後はここに茹でたパスタを入れて、オリーブオイルを乳化させながら、しっかりとパスタに絡める。」
鍋を素早く振って先程のパスタソースを乳化させ、パスタに絡めていく。
「後は皿に盛り付けて、上から乾燥パセリを振りかけてやれば彩りもバッチリだ。」
トングでパスタを高さがでるように盛り付ける。仕上げにパセリをふりかけて、完成だ。
「よし、それじゃみんなのところに持っていこう。」
できあがったパスタを持ってみんなの元へと向かうと……。
「ちょ、ちょっと往生際が悪いんじゃないかなぁ……お姉様?」
「ふ、フレイこそ……いい加減敗けを認めたらどうなのよ?」
そこでは、フレイとリリンがジョーカーを巡って壮絶なカードの引き合いをしていた。
「ずいぶん面白そうなことになってるじゃないか。」
いつものテーブルにパスタを配膳し、リリンとフレイの元へと向かう。
「あっヒイラギさん!!もうできたの?」
「あぁ、もうできたぞ。」
「じゃあ速く終わらせないとね……。さぁ、お姉様…カードを出してよ。」
「くぅっ、ちょっと待ちなさいよ。こうして、こうして……ほら引きなさい。」
リリンは二枚のカードをシャッフルして、フレイに差し出した。
「お姉様……この勝負もらったよ!!」
「あっ!?」
フレイがスッと一枚のカードを抜き去ると、リリンは思わず声をあげてしまう。
「あはっ♪ボクの勝ちだよ~♪」
「な、何でわかったのよ~!!」
「え~?内緒っ♪ほらみんな待ってるから、夕御飯食べようよ!!」
「あっ!!ちょっとフレイ!!」
この勝負は宣言通りフレイの勝ちで終わった。
真剣なリリンの背後に、小さなコウモリがいたことは黙っておこう……。
「じゃあみんな揃ったし、食べるか。」
そしてみんな席に着いたのを確認して、手を合わせた。
「いただきます……。」
「「「いただきま~す!!」」」
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