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第四章

ランの食べたいメニュー

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 シーデビルを倒した後、再び来た道を戻りブラックフィッシュ達が待っている砂浜へと戻ってきた。

「律儀に待っていてくれたんだな、ありがとう。」

 波打ち際で俺たちのことをずっと待っていてくれた、ブラックフィッシュの頭を撫でながら礼を言う。

「ホントにいい子達ね~、こんなに言うことを聞いてくれる動物なんて滅多にいないわよ?」

「だろうな‥。この子達は知能がとても高いから、俺達の話している言葉を理解してくれてるんだ。」

 知能が低い動物ならこうはいかないだろうからな。

「それじゃあの砂浜に戻ってくれるか?」

「キュイ!!」

 そして再び彼らの背中に乗り、俺とランはあの砂浜へと戻った。

「今日はありがとな、助かったよ。少しだがお礼だ、口を開けてくれ。」

 俺の言葉に従いカパリと口を開けたところに、先ほどのシーデビルの肉を放り込んだ。彼らはそれをとても美味しそうに食べていた。

「また何かあったら頼むな?」

「キュイッ!!」

 任せろと言わんばかりに元気な声で彼は鳴いた。頼もしい限りだな。

「それじゃ帰るとするか。」

「そうね~。」
 
 ブラックフィッシュ達に別れを告げて、みんなが待つハウスキットへの帰路についた。

「ねぇねぇ、ヒイラギ?今日の晩御飯はなにかしら?」

 少しそわそわしたような様子で、ランが問いかけてきた。

「逆にランは何が食べたい?」

「えっ?ワタシ!?」

「あぁ、食べたいものとかないのか?」

 食べたいものを聞くと、ランは何故か少しもじもじし始めた。

「……お。」

「お?」

「お、大きいステーキが食べたいわ。」

 ランは少し顔を赤らめながら言った。別に恥ずかしがることでもないと思うんだが……。

「わかった。ステーキだな?」

「ちょっ!!そこは別に強調しなくてもいいじゃない!!」

 少し大きいという言葉を強調して言うと、ランは顔を真っ赤に染めてプリプリと怒る。やはりからかうのは得意でも、からかわれるのは苦手らしいな。

「さて、作るメニューも決まったし。早いとこ帰るぞ?」

「あっ!!ちょっと待ちなさいよヒイラギ~!!」

 からかわれて怒るランから逃げるように、ハウスキットの方へと走り出すのだった。
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