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第四章

気になるそのお味は…

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 さてさてこいつを倒したのはいいが、どうするかな。目の前で横たわるシーデビルを眺めて悩んでいると……。

「ねぇねぇ、ヒイラギ?」

「なんだ?」

「こいつ食べられないのかしら?」

「ワニかぁ……。食えないことはないと思うけど。」

 あっちではワニは高級食材として扱われていたけど、こいつは食えるのかな? 

「一先ず解体してみるか。」

 さすがにこんなに大きいヤツは、厨房じゃ捌けないから。この場で解体して運ぶしかない。

 バッグから魔包丁レヴァを取り出して魔力を込めた。

「コイツはきっと普通の包丁じゃ刃が立たない。」

 念のため強めに魔力を込め、頭と胴体の節目に包丁を当てると……スッと何事もなかったかのように、刃が入っていった。

「おぉ!!流石は魔包丁……切れる切れる。」

 頭と胴体を切り離すべく、解体していたところ何か硬いものにぶつかった。

「ん?骨は切ったはずなんだが……。」

 疑問に思いながらその周りの肉を切り離してみると、ゴロリ……と大きな丸い水晶玉が転がり出てきた。

「あら?それって……。」

「あぁ、シーデビルの宝玉だ。」

 海水で血を洗い流し、きれいにしてからバッグの中へとしまう。こいつの使い道は後で考えよう。

 そして解体作業を再び始める。ワニの解体は始めてだが、意外とすんなり解体が進む。というのもレヴァのおかげで、魚の三枚おろしみたいに捌けるからだ。

「意外と肉はぷるぷるしてて美味しそうだな。」

「やっぱり食べれる!?」

「あ、あぁ……多分な。なんにせよ一回食べてみないと美味しいかどうかわからない。」

 どこの部位の肉がいいかな。一番分厚いテールを少し切って焼いてみるか。尻尾の肉を少し切り取り、塩と胡椒を振って、フレイムブレスで焼いてみると……。

「凄い良い匂いね~。」

 肉が焼かれる匂いにお腹を刺激されたのか、ぐうぅぅ……とランのお腹から空腹を知らせる音がなった。

「あ……。」

「食べるか?」

「う、うん……ありがと。」

 少し微笑みながら焼けたばかりの肉をランに手渡す。彼女は赤面しながらそれを受け取った。

「いただきます……あむ。」

 ランが肉にかぶりつくと、肉汁が霧状になり辺りに飛び散った。相当ジューシーなことがうかがえる。

「おいしい……ヒイラギ!!これ美味しいわ!!」

「そうか、それじゃあ後は帰ったらみんなで食べような?」

「そうしましょ!!早く帰っていっぱい食べたいわ~。」

 そして試食用の肉をあっという間に食べ終わったランと共に帰路につくのだった。
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