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第四章
状態異常 洗脳
しおりを挟む三人に向かって鑑定を使う。名前やステータス、スキルなどは人それぞれだが、一つだけ三人とも共通のものがあった。
(やっぱりか……。)
ステータスには状態異常洗脳と三人ともきっちり書いてあった。これでもう、現国王が洗脳魔法を使えるのが確定した。
「そういうオーナルフはどう思ってるんだ?まさか…反対なわけないだろう?」
「私かね?それはもう……断固反対だ。」
彼が反対とハッキリと言ってのけると、三人は興奮し席を立った。
「オーナルフ、貴様それは国に対する反逆だぞ!!」
「生憎、無能で下劣な王に下げる頭はないのだよ。」
現国王のことを侮辱すると、三人は今にも彼に掴みかかりそうになった。彼らの間に割って入ると……。
「貴様…そこをどけ!!どかないなら貴様も反逆者とみなすぞ!!」
「……少し痛いぞ。」
「はっ?ぐっ……。」
ルーカスなる男の腹に拳を突き入れ気絶させる。
「る、ルーカ……ス」
「うっ…、」
残った二人は、男がやられて体が止まっていたから首の後ろに軽い手刀を当てて気絶させた。
「やはり、洗脳されていたようだね。」
目の前で気絶する三人を見て彼は悲しそうに言った。恐らくは彼自身……言動から気がついてはいたのだろう。
「はい、まだ洗脳は解いてないので今のうちにベッドに運んで洗脳を解除しましょう。」
そして気絶した三人を他の部屋のベッドに運び、横にした。
「じゃあちょっと離れててもらってもいいですか?」
「あぁ、わかった。」
部屋の隅の方にエートリヒが離れたことを確認して、俺は纏い衣を使った。徐々に体に黒いオーラが纏わりついていく。
ベッドの上で横になっている彼らに近づくと、体に纏わりついていたオーラが勝手に動き、彼らの後頭部から伸びている鎖を可視化させた。
これが洗脳魔法の繋がり……というやつなんだろうな。こいつを壊してやれば洗脳は解けるだろう。
その鎖を握り、力を流し込むとあっさりと鎖は砕け散った。三人の鎖を全て壊した後、俺は纏い衣を解除する。
「ふぅ。」
「今ので洗脳は解けたのかね?」
「はい、恐らくは。」
再び鑑定を使って彼らのステータスを見てみると、状態異常の項目が消えていた。
「後はこの人達が目を覚ますまで、少し待ちましょう。」
「あぁ。」
俺とエートリヒは、彼らが起きるまで紅茶をのみながらゆっくりと待つことにした。
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