転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)

しゃむしぇる

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第四章

お菓子作り

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 リリン達と話していると、俺の隣にシアとメリッサの二人が駆け寄ってきた。

「お兄さん!!」

「ぱぱ…おねがい…ある。」

「お願い?」

 一体なんだろうかと二人の言葉に耳を傾けると。

「お菓子食べたいの!!」

「うん…うん。」

 お菓子か、もうおやつの時間だったかな?

「あら、じゃあケーキなんていいじゃない?。私食べたいわ?」

「ボクも食べた~い!!」

 二人もケーキが好きになったみたいだな。それはそれで嬉しいことなんだが……。

「ちょっと待っててくれ。」

 みんなに少し待つように促し、俺はロッカールームに向かった。そしてコックコートを羽織り、前掛けを締めて厨房へと向かう。

「さて、始めるか。」

 ケーキはこの前食べたばかりだからな。それに最近おやつタイムはケーキ……っていう風習がつき始めてるから、そろそろ違うものを作らないといけない。

 手の込んだ物を作るとなれば、時間がかかる。今回は簡単で美味しいやつにしよう。

「まずは卵と軽く温めた牛乳を混ぜ合わせて、そこに砂糖を入れて裏漉す。」

 今回作るお菓子の大まかな工程は、これでもう終わりだ。

「グラニュー糖と水を鍋に入れて、カラメルを作るぞ。」

 綺麗なカラメルを作るコツは、色が変わり始めたら火を落としてゆっくりと焦がしていくことだ。

「よし、後は少しお湯を入れてカラメルを緩くして、器に注ぐ」

 最後にその器の中にさっきの卵液を注いで、バーナーで気泡を消して80℃のスチコンで10分蒸す。

「今のうちに生クリームを泡立てておこう。」

 蒸している間にトッピング用の生クリームを泡立てようとすると……。

「ぱぱ…てつだう。」

「シアも手伝う!!」

 いつの間にか、隣にエプロンを着たシアとメリッサがいた。

「じゃあ二人でこれを泡立ててくれるか?」

「うん!!」

「がんばる。」

 二人に氷に当てた生クリームと泡立て器を手渡した。すると最初は、シアが生クリームを泡立て始める。が、少しすると……。

「はぁ、はぁ……おてて疲れたぁ。」

「つぎは…わたし。」

 疲れたシアに代わり、今度はメリッサが生クリームを泡立て始めた。その後何回か交代ながら泡立てていると……。

「あっ!!固まってきた!!」

「すごい…ふわふわ。」

 急に固まり始めた生クリームに、二人は目を輝かせていた。

「二人とも頑張ったな。後はあっちでゆっくりしてていいよ。」

 ポンポンと頑張った二人の頭を撫でてあげた。

「えへへぇ~♪」

「ふふ…きもちいい。」

 撫でられて満足すると、二人は仲良くホールの方へと戻っていった。
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