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第四章
戦争を止めるために
しおりを挟む何とかエートリヒと協力を取り付けることができたので、今後のことについて話し合うことにした、
「それで、これからどう動くのかね?」
「一先ずもう少し協力者を増やしたいです。できれば国王の身近にいる人物が……。」
「ふむ、そういうことなら私に何人か心当たりがある。」
「その人達をここに呼ぶなんてことはできます?」
協力者に心当たりがあるのはいいことだが、問題はその人たちが洗脳を受けているか、いないかが問題だ。
「可能ではあるが、ここに呼ぶ必要はあるのかね?」
「はい、現国王が洗脳魔法を使える可能性があるので、その確認を。」
「洗脳魔法……だと?」
「あなたの先祖の国王を追放した国王が、洗脳魔法を使っていたかもしれないんです。もしかすると、それが現代の国王に継承されている可能性があるんです。」
洗脳魔法のことについて聞いた彼は、うーむ……と顎に手を当てて悩んだ。
「そうか、なら国王が洗脳をしているという事実を明らかにできれば、失脚させることもできそうだな。」
まさに俺がしようとしていることはそれだ。国王が洗脳魔法を使って、重役など全員を洗脳して戦争宣言に合意させたとなれば、失脚は免れない。その証拠を掴むためには、実際に洗脳されている人間が必要不可欠だ。
「もしその協力者になりそうな人達が洗脳を受けていても、俺なら多分洗脳を解くことができるので……こっちの動きを悟られることはないはずです。」
「なるほど、では今日にでも彼らに書を送るとしよう。4日後にはここに来れるはずだ。」
「わかりました。ではまずその人達を協力者に引き込むところから始める……という事でいいですか?」
「それでかまわない。では私は早速書を書くとしよう。貴公らはどうするかね?」
「一度この事を仲間に知らせにいってきます。」
リリンにも協力者ができたことを知らせないとな。
「では、また……。」
「あぁ、何かまた用があれば来るといい。私はいつでもここにいる。」
そして俺達はエートリヒの家を後にした。
「協力者ができてよかったねぇ。」
「あぁ、貴重な第一歩を踏み出せたな。」
だが、まだまだ問題は山積みだ。焦らず一つ一つ解決していこう。
「お腹減ったな、ごはん食べてくか?」
今頃ラン達は、用意したごはんを食べていることだろうしな。
「いいねぇ~、アタイもお腹減ったよ。」
「わ、我も腹が減ったぞ。」
バッグに隠れていたシンが顔を覗かせながら言った。
取りあえずシンのために個室がある店を探すか。エートリヒの屋敷から離れ、大通りの方へと足を進めた。
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