転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)

しゃむしぇる

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第四章

彼らのお願い

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 一通りどんなやつが襲ってくるのか聞いてみると、どうやら俺が知っている人物が、彼らを捕らえに来ているらしい。

 あのギルドにいた海賊風の男達が、大きな船を用意して捕まえに来るのだそうだ。

「なるほど、わかった。今日はまだ来てないのか?」

「はい、でももうそろそろ来る時間なんです。」

「そうか、じゃあそいつらの船の目の前に俺を運んでくれるか?」

 あっちから来るなら好都合だ。船を破壊してやれば、もう彼らを捕らえに来ることはできないだろう。

「でもあの人間達凄い多いんですよ?それに強そうだし……。」

「だいじょうぶ…ぱぱ…つよい。」

 メリッサは不安になっている彼を撫でながら言った。

「ま、俺のことは気にしなくて大丈夫だ。あの程度のやつらが何人かかってこようが負ける気はしない。だから安心してくれ。」

「わ、わかりました。ここまで来たら、もう人間さんを信じます。背中にどうぞ……乗ってください。」

「じゃあ失礼する……よっと。」

 彼の背中に跨がると、ひんやりとした感触がズボンを通して伝わってくる。

「他の皆さんも、皆の背中にどうぞ?」

「いいのか?」

「はいっ!!」

 その旨を皆に伝えると、恐る恐るといった様子で各々彼らに跨がった。

「まさか魚に乗ることになるなんてねぇ~。」

「ね~?ヒイラギと一緒になってから初めての事がたくさんよ~。」

「お魚さん乗れるのすごーい!!」

「ふふ…いいこ。」

「ひぅっ!?冷たいなぁ、でも魚に乗るって凄いこと……だよね?」

 皆もちゃんと乗れたみたいだな。じゃあ泳いでもらうか。

「じゃあ行ってくれるか?」

「キュイッ!!」

 メリッサの手を離れてしまったため、彼の声を聞くことはできないが、こちらの言葉は伝わっているようだから大丈夫だろう。

 元気良く鳴いた彼は、大きく尾ビレを動かして泳ぎ始めた。

「おぉ!!凄い……凄いぞ!!」

 泳ぎ出すと、あっという間にさっきまでいた浜を置き去りにして、大海原に飛び出した。

 ザザザ……と海を切りながら、凄いスピードで海を突き進む。この爽快感はやみつきになりそうだ。

 そしてしばらく沖へと進むと、大きな船が見えてきた。恐らくあれが彼らを捕獲しようとしている船だろう。

 あいつ等には悪いが……あの船はブラックフィッシュの為に破壊させてもらおう。
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