転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)

しゃむしぇる

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第四章

海の狩人ブラックフィッシュ

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 それから暫くして……。

「お兄さん!!見て、シアいっぱい釣ったよ!!」

「わたしも…たくさん…つった!」

「ボクもいっぱい釣れたよ!!」

 一度釣りを切り上げ、浜辺でみんなが釣った魚の見せ合いをしていた。みんな10匹以上釣ることができたようでとても楽しめたらしい。

「今日一番の大物は、シアが釣ったこの魚だな。」

「えへへぇ~シアが一番っ!!」

 今日釣れた魚で一番大きかったのは、1mを優に越える鰤のような見た目の魚だ。シア曰く簡単に釣れた……とのことだが、やはりステータスが影響しているんだろう。普通こんなのを軽く釣ることはできない。20kg近く重さもあるしな。

「しあちゃん…すごい。」

「羨ましいなぁ~、ボクもあんな大きいの釣ってみたかったよ。」

「まだしばらくはここにいる予定だから、また来れるさ。そのときにリベンジすればいい。」

 気になるドーナとランの勝負の行方だが……。

「くっ、どうやら今回は引き分けのようね。」

「そのようだねぇ。」

 お互いに一番大きさに自信がある魚を出したところ、奇跡的に同じ種類でまったく同じサイズの魚を二人とも出したのだ。

「さて、彼も来ないみたいだし……そろそろ帰るか。」

「彼?彼って誰だい?」

 不思議そうにドーナが聞いてくる。

「あぁ、実はさっきブラックフィッシュに会ったんだよ。」

「とっても可愛かったわよ~。」

 みんなに羨ましがられていると、海に異変が起こった。不自然に波が止まったのだ。

「ん……お出ましかな。」

 海の沖の方へと目を凝らしてみると、特徴的な背ビレがいくつも見えた。どうやら彼は群れを引き連れてきたらしい。そしてその群れの前では、大きな魚が慌てて逃げ惑うようにバシャバシャと跳び跳ねながらこちらへと近付いてくる。

「みんな、ちょっと離れた方が良さそうだ。」

「えっ!?どうして?」

「多分、ここにいるとずぶ濡れになるぞ。」

 砂浜から少し離れてその様子をうかがうことにした。すると、彼らは魚をどんどん浜辺へと追い詰めてくる。そして水際まで追い詰められた魚を、一気に彼らは海水ごと浜に打ち上げた。

 もし離れてなかったらあれに巻き込まれていたことだろう。流石にずぶ濡れは勘弁願いたい。

「うわ、すごい数の魚がいるよ!?それにおっきいや。」

「あの奥で背ビレだけ出してるのがブラックフィッシュだ。」

 俺は浜に打ち上げられた魚を踏まないように彼らのもとへと足を進めた。
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