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第四章
釣りのお供
しおりを挟む次の日……。
朝みんなより一際早く、俺は目を覚まして厨房に立っていた。
「軽くお腹を満たせるように、おにぎりを何個か作っていこう。」
ここで待つことになるリリン達にも何個か作っておけばいいかな。多分いつもの朝食の時間までに帰ってこれないだろうし……。
「具材は取りあえず余ってるツナ缶を使って、定番のツナマヨにしておこう。」
梅干しもあるけど、多分誰も食べないと思うから作るだけ無駄だな。
手に水と塩をまぶして、具を入れたご飯を三角に整形しながら握る。おにぎりはあまり強く握らないようにするのが、美味しく握るコツだ。強く握ってしまうと米が潰れて固くなってしまうからな。
ひたすらおにぎりを握っていると、目の前の調理台からひょこっとメリッサが顔を出した。
「ぱぱ…おはよ…なにしてるの?」
「おはようメリッサ、今はおにぎりを握ってるんだ。」
「おにぎり?」
「ほら、ここにたくさん並んでるだろ?」
ちょいちょいっと、となりに置いてある作り終わったおにぎりを指差した。
「ほかほか…おいしそう。」
するとおにぎりを見つめているメリッサのお腹からきゅるる……とかわいい音がなった。
「あぅ…おなか…なった。」
「おなか減ってるなら食べてもいいぞ?まだたくさんあるし。」
「ほんと?じゃあ…いただきます。」
メリッサは両手で一つのおにぎりを持って、三角形のおにぎりの頂点にかぶりついた。
「はむ…おいしい。」
「もう少し食べると、中に入ってる具も一緒に食べられるぞ。」
それを聞いたメリッサは、早速もう一回おにぎりにかぶりつく、するとパチリと目を見開いた。
「あじ…かわった。」
「ビックリしたか?ご飯と一緒に食べるとすごい美味しいだろ?」
「うん…すごく…おいしい。」
そしてあっという間にメリッサはおにぎりを平らげた。
「後はみんなで食べような?」
「うん…がまんする。」
おにぎりを握り終えた後、持って行く分とリリン達が食べる分とで分けた。
「これでよし……っと、じゃあメリッサみんなを起こすの手伝ってくれないか?」
「うん…わかった。」
そして俺とメリッサは、今日釣りに行く予定のドーナ達を起こしに行った。
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