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第四章
フレイの想い
しおりを挟む「たっだいま~!!」
「ただいま!」
元気よくシアとメリッサの二人が、ハウスキットの中へと入ると、リリン達がそれを出迎えた。
「あら?早かったわね?」
「シアちゃん、メリッサちゃん、それにヒイラギさん達もお帰りなさい!!」
「あぁ、ただいま。」
一度手を洗い、コーヒーメーカーで一杯コーヒーを入れて、いつもの席に座る。俗にいう一服ってやつだな。
熱いブラックコーヒーを飲んでいると、フレイが俺の正面に座った。
「ねぇねぇヒイラギさん?」
「ん?どうかしたか?」
「あのねあのね、ボクも一緒に街を歩いたりしたいんだけど……ダメかな?」
「別にいいけど…大丈夫なのか?結構太陽の下を歩くことになるぞ?」
「大丈夫だよ!!もう太陽なんか怖くないもん。ねっ?だからお願いっ!!」
「わかった。」
「えっ!?ホント!!それじゃあ……。」
「ただし、気分が悪くなったりしたらすぐに言うこと。いくら太陽を克服したとはいえ、万が一のことがあるからな。」
喜ぶフレイに一つだけ条件を出した。
「それだけで良いの?」
「あぁ、これだけを絶対に守ってくれれば、あとは何も言わないよ。」
「ぜ、絶対守るよ!!うん、気分が悪くなったらすぐに言うね。」
リリンの方をチラリと見ると彼女はコクンと頷いた。
「よし、それなら明日は早いぞ?朝ご飯を食べる前に行くところがあるんだ。」
「大丈夫~絶対起きれるよ!!それでどこに行くの?」
「明日は……。」
明日の予定を話そうとすると……。
「明日はお魚を釣りに行くんだよ!!」
「つり…わくわく♪」
俺の代わりにシアとメリッサが答えてくれた。
「魚釣り?それなに?」
「フレイもやったことないか?」
「お魚さんと引っ張り合いっこするんだよ!!すっごく面白いの!!」
「へぇ~、面白そうだね。明日が楽しみだよ!!」
「ちなみに、釣れた魚によってご飯が豪華になるからな。頑張って沢山魚を釣ってくれ。」
そう補足してあげると、明日釣りへ行く面々は、朝食を豪華なものにするため、意気込んでいた。
……明日また海に行ったらあいつに会えないかな。今度はもう少し触れ合いたい。みんなも会いたいだろうしな。
元気になって海に帰っていったであろう、あのブラックフィッシュとの再開を密かに望むのだった。
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