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第四章
何もいない水槽
しおりを挟むいろんな水槽を見ながら建物の中を進んでいると、一際大きな水槽の前へとたどり着いた。だが、その水槽の中には何も生物は入っていなかった。
「何でこんなに大きな水槽なのに何にも入ってないんだ?」
「何かを入れる予定なんじゃないかい?」
「一応ここに説明書きはあるわよ?」
「どれどれ…。」
・ブラックフィッシュ
海の食物連鎖の頂点でとても高い知能をもつ魚。性格はとても温厚だが、狩りの瞬間は獰猛な狩人に豹変し獲物を狩る。何匹かの群れで行動することが多く、仲間意識がとても強い。人間の心を読み取ることができる……と言われている。
「これシャチだろ。」
説明書きを見る限りシャチにしか思えない。この世界にも似たような魚がいるのか?まぁ、カグロなんて魚がいるぐらいだ、今さらシャチのような魚がこの世界にいても驚きはしない。むしろ喜ばしいことだ。
「いるなら会ってみたいな。」
「海に行けば会えるかしら?」
「シアも見てみたい!!」
「わたしもっ。」
「わかった。どうせ今日帰るときに海辺を散歩するつもりでいたから、そのときに少し探してみよう。」
そんなに都合良くいるとは思えないが、まぁ海辺を散歩するついでに探してみるとしよう。
その後建物の中にいた海の生き物をすべて見終え、俺たちは再び通りに出てきていた。
「どうだ?楽しかったか?」
「とっても楽しかった!!」
「おもしろかった…また…きたい。」
「ね~?今度は二人でゆっくり来たいわ……ねっ?」
「ちょ!!それはズルいんじゃないかい!?」
「取りあえず今の問題が解決したらだな。ゆっくり来たいんだろ?」
今度来るときは、問題が全て解決してからだ。もっと心に余裕を持ってゆっくり見て回りたい。
あと寄るのは釣具屋だな。確かここに来る前に看板を見たから、さっき来た道を戻れば良いな。
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