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第四章
海洋生物展覧会
しおりを挟むそれから待つこと十数分ほどでようやく受付の番が回ってきた。
「いらっしゃいませ。料金は大人はお一人様銀貨10枚、お子様はお一人様銀貨5枚となっております。」
「じゃあ大人三人と子供二人でお願いします。」
本当はもう一匹いるんだが、グレイス用の料金表はなかったからな。念のため絶対に動くなよ?チラッとグレイスを見る……すると俺の意思を察したのかピクリとも動かなくなった。
「かしこまりました、では銀貨40枚となります。」
銀貨を40枚取り出して料金を払った。
「ちょうど40枚ですね、確認いたしました。それではどうぞ海の生き物の姿をお楽しみください。」
「ありがとう。それじゃあみんな行こうか。」
「どんなのがいるか楽しみね~♪」
「たのしみ…ぱぱ…はやくいこ?」
「シアもお兄さんとお手々繋ぐっ!!」
「ふ、二人ともそんなに引っ張らないでくれ……別に逃げたりしないから。」
興奮した二人に引きずられ建物の奥へと進む。それから少し進むと、早速一つ目の水槽が見えてきた。中では沢山の小さい魚が群れを成して泳いでいる。
「お兄さん!!お魚いっぱい!!」
「お?ホントだな。なになに……この魚はファイクイワシっていうのか。」
説明書きによると、この魚はファイクイワシという魚らしく、とても臆病な魚のようだ。だから身を守るために、たくさんの群れで生活するらしいな。一匹だけだと孤独死する……とも書いてある。
「これ美味しいっすかね~。」
グレイスがそう言うと、ファイクイワシの群れは何かを感じ取ったらしく、ビクゥッと反応し水槽の奥の方へと行ってしまった。
「あっ、行っちゃったっす。」
「グレイスの事が怖かったんじゃない?ほらここに臆病って書いてあるじゃない。」
「うえっ!?じ、自分……怖いっす?」
「さぁな?少なくともこの魚にとっては怖かったんじゃないか?」
しょぼ~ん……としょぼくれるグレイス。怖がられたのがそんなにショックだったのだろうか。
「ほらほら、落ち込んでる場合じゃないぞ?今は楽しまないとな。」
ポンポン…とグレイスの頭を撫でて励まし、次の水槽へと向かう。さてさて、次は何が待ってるのかな?
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