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第四章
焼きたてを召し上がれ
しおりを挟むコーヒーを飲み終えると、タイマーが10分経過したことを知らせる。足早に厨房へと向かい、鳴っているタイマーを止めた。
「さて、どんな感じになったかな?」
オーブンを開けて中にあるピザの様子を見ると……。
「うん、チーズもバッチリ溶けてるし、生地もよく焼けてるっぽいな。」
生地にもしっかり火が入っている。この分ならもう取り出して、切り分けてもいいだろう。
オーブンからピザを取り出してまな板の上にのせた。そしてピザカッターでピザを切り分ける。
「後はこれを皿にのせて完成だ。」
さ、これは焼きたてを食べてもらいたいからな。速く皆のもとへ持っていこう。焼き立てのピザを持って、いつものテーブル席で待っているみんなのもとへと向かった。
「お待たせ。」
テーブルの上にピザを並べると、興味津々といった様子でそれを眺め始めた。
「これはなんていう料理なの?」
「焼きたてのパンみたいな香りがするけど、パンっていう感じじゃないしねぇ。」
「これはなピザっていう料理だ。ピザ生地っていうパンの生地みたいな物を丸く延ばして、その上にいろんな具材をのせて焼いたんだ。」
だからドーナの見立ては間違っていない。ピザもパンと同じようなもの……てかパンだからな。
普通にパン屋さんに行けば売ってるし……。
「さぁ、これは焼きたての今が一番美味しいんだ。早く食べよう。」
みんなを急かすように、両の手のひらを合わせると皆もそれに続いて手を合わせた。
「それじゃ、いただきます。」
「「「いただきま~す!!」」」
いつもなら皆が食べるところを見ていたいが、今回は話が別だ。冷めたピザは食べたくないからな。
俺は早速マルゲリータを一切れ手に取り、口に運んだ。
外側の耳の部分はサクサクの食感……それ以外の生地は中がふわふわだ。発酵が短かったが、これなら問題はないな。
そしてなにより、ピザソースとモッツァレラチーズの相性が抜群だ。やはりこのトマトとモッツァレラチーズという組み合わせは、何をやっても間違いがない組み合わせだな。
カプレーゼとかも美味しいし、最初にこの組み合わせを考えた人を尊敬したい。
「さてさて、次は……。」
マルゲリータを堪能した俺は、次のピザに手を伸ばした。
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