転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)

しゃむしぇる

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第四章

エートリヒという人物

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「それで、話の本題なんですが。実はある人を探してるんです。」

「ふむ、人ですかな?」

「えぇ、人脈が広いミルタさんなら、もしかしたら知ってるかと思いまして。」

「なるほど……そういうことでしたら、力になれるかもしれません。なんという名前の人物を探しているのですかな?」

「姓にという名のある人を探しています。」

 アルマ・エートリヒ……それが謀反を起こされた国王の名前だ。その人の子孫も、名前を変えていなければ、エートリヒという姓を受け継いでいるはず。

「エートリヒ……どこかで聞いたことがあるような…。」

「思い出せそうですか?」

「少し時間をいただけますかな?確認して参ります。」

 そう言ってミルタさんは、一度部屋を出ていった。

「姓を持ってるぐらいだから、どっかで貴族になってそうだけどねぇ。」

「そんなに分かりやすいなら苦労はしないんだがな。」

 そして数分すると、ミルタさんが何枚か紙を持って部屋に戻ってきた。

「お待たせしました。」

「いえ、大丈夫です。それで何か手がかりになりそうなものはありましたか?」

「えぇ、何年か前にマーレという海街でという貴族の方と取引したことがありましてな。」

「オーナルフ?エートリヒじゃないじゃないかい?」

「いえ、その方がエートリヒという名前を、納品書に間違って書いたことがあるのですよ。」

 ミルタさんに見せられた紙に書いてあった名前には、確かにとサインがしてあった。

「これって見せちゃって大丈夫何ですか?」

「本当はお客様の個人情報ですから、よろしくはないですが……他でもないヒイラギさんの頼みですからな。何卒他言無用でお願いしますぞ。」

「もちろんです。」

 あの時ミルタさんを助けて、本当によかった。お陰で、かなり有益な情報を手に入れることができた。

「貴重な情報をありがとうございます。おかげさまで助かりました。」

「いえいえ、この程度どうってことありません。今からマーレに向かうご予定ですかな?」

「えぇ、これから向かおうと思ってました。」

「では私からこの方に紹介状を送っておきますよ。」

「いいんですか?」

「その方がヒイラギさんのためになりそうですからな。」

「助かります。」

 よし、これでその人と接触しやすくなったぞ。後は向かうだけだな。
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