転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)

しゃむしぇる

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第四章

ママと呼んで?

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 料理を持って、いつも食事をするテーブル席へ向かうと……。そこにはメリッサが座っていた。

「いいにおい…おなかへった。」

「今日も美味しいの作ったから、たくさん食べるんだぞ?」

「うん…いっぱい…たべる。」

 テーブルの上にみんなの分のベジタブルトーストと、オニオンスープを並べ終えたので、みんなのことを起こす。

「みんな朝だぞ~?早く起きないと、俺がみんなの朝御飯食べちゃうからな?」

 そう寝ているみんなに呼び掛けると、みんな一斉にガバッと体を起こした。

「みんなおはよう。朝御飯できてるから早く食べよう。」

 起きたみんなと一通り挨拶を交わし、席についた。

「今日はシアがお兄さんの上に座るっ!!」

 そう言ってシアが俺の太ももの上にピョンと飛び乗ってくる。昨日メリッサのことを羨ましそうに見ていたからな。今日こそはと思っていたんだろう。

「あぅ…しあちゃんに…とられた。」

 しゅん……と悲しそうな顔になるメリッサ。

「それなら今日はワタシの上に座らない?」

「アタイの上でもいいんだよ?」

「まま…!」

 しゅんとなっていたメリッサに、ドーナとランの二人が救いの手をさしのべた。

 そして二人の言葉に表情を明るくしたメリッサは、今回はランの上にちょこんと座った。

「つぎは…どーなままに…すわる。」

「楽しみに待ってるからねぇ、メリッサ。」

 メリッサはドーナとランに頭を撫でられて、気持ち良さそうにしている。
 こうしてみると、本当に二人が母親みたいに見えるな。

「いいなぁ~、ボクもママって呼ばれてみたいなぁ~。」

「メリッサちゃん、私のこともママって呼んでくれてもいいんですからね~?」

 フレイとイリスが、ママと呼ばれる二人のことを羨ましがっている。そんな姿を見たメリッサは……。

「ふれいまま…いりすまま?」

「「はぅっ!?」」

 メリッサは首をかしげながら、二人のことをママと呼んだ。
 ママと呼ばれた二人は、胸を押さえて一瞬のけぞると、嬉しそうにメリッサのことを撫で始める。

「も~かわいいなぁ~♪ママかぁ~、いつかホントになれればいいなぁ。」

「ふふっ、うふふふっ♪偉いですよ~メリッサちゃん、これからず~っとママって呼んでくれてもいいんですからね~。」

 すっかりフレイとイリスも、メリッサにメロメロになってしまったようだ。
 ママと呼ぶだけで、ここまで人を惹き付けるメリッサ……恐るべしだ。

「みんなまだまだ子供ねぇ。ママって呼ばれてなにがいいのかしら?」

「りりん…まま?」

「はぅぁっ!?」

 みんなのことを子供扱いしようとしていたリリンだったが、不意にメリッサにママと呼ばれてあえなく撃沈した。
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