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第四章

あそぼ?

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 有益な情報も聞くことができたのでお暇しようとすると、シアとメリッサの二人がバフォメットに絡んでいた。

「羊さん!!今度はシア達と遊んで~?」

「あそ…ぼ?」

「む、むぅ!?あ、遊べとな!?」

 ちらりとこちらに視線を向け助けを求めてくるバフォメット。しっかりと情報を貰ったから、また助け船を…と思ったが。

「えへへぇ~、いっくよ~!!」

「むっ!?消え……。」

 シアが文字通りバフォメットの目の前から消え、後ろに回り込んだ。

「えいっ!!」

 無邪気な掛け声とともに最強の拳がバフォメットに向かって放たれる。

 俺が間に割り込む前にシアの拳がバフォメットに届く。

「ぐぅぅッ!!」

 なんとか防御したバフォメットは、ダンジョンの壁に向かって激しく吹き飛び激突する。周りの壁が崩れ落ち、彼の受けた衝撃の大きさを表している。
 そしてバフォメットが瓦礫に埋まってしまった。

「むんッ!!」

 少しすると埋まってしまっていたバフォメットが、自身に覆い被さっていた瓦礫を退かしながら立ち上がる。どうやら無事だったようだ。

 ほっと安心したのも束の間……。

「おいで…。」

 メリッサがそう声をかけると、数多の魔法陣が辺りに現れ、配下のハチ達が大量に現れた。

「まほう…うって。」

 メリッサの号令と共にハチ達の前に更に魔法陣が現れた。そして、炎や水、氷、雷など様々な攻撃魔法が、立ち上がったバフォメットに向かって無慈悲にも放たれる。
 しばらくすると、全ての魔法を撃ち終わり、辺りに巻き上がっていた砂埃が徐々に晴れ始めた。

「あ……。」

 そこには某漫画の自爆に巻き込まれたキャラクターのように、力なく地面に倒れ込んでいるバフォメットがいた。

「メリッサちゃんやったね!!」

「うん。」

 ハイタッチをして喜び合う二人。一見無邪気で可愛らしいが、秘めている力はとんでもない。

「お、おいバフォメット、生きてるか?」

「グッ…な、なんとかな。これほど自分の頑丈さに感謝した日はない。」

 幸いにもバフォメットはボロボロだが、何とか生きていた。これなら神華樹の花で何とか治せそうだ。バフォメットを介抱していると、こちらにメリッサが駆け寄ってきた。

「ぱぱ…みつ…とって?」

「ん?ハチミツか?ちょっと待ってな。」

 バッグからハチミツを取り出してメリッサに手渡すと…。

「はい…ひつじさん…これ…のんで?」

 メリッサはバリバリと蓋を剥がしてバフォメットにハチミツを渡した。

「む、いただこう。」

 そしてバフォメットはグビグビと勢いよくハチミツを飲んでいく。すると不思議なことに、彼の体の傷がどんどん癒えていった。

「どう?」

「これは凄まじいな。力が漲ってくるかのようだ。」

 どうやらあのハチミツには傷を癒す効果もあったらしく、みるみるうちにバフォメットは元気を取り戻した。
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