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第四章

イリスの不安

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 料理を盛り付け終わったので、イリスと二人で料理をいつものテーブルへと運んでいると、こちらにグレイスがパタパタと飛んできた。

「ヒイラギさん、イリスさんおはようっす!!」

「おはようグレイス。」

「おはようございます。」

「それ今日の朝ごはんっすか!?」

 挨拶をかわしたグレイスは、俺達が運んでいたタコライスを見て、スンスンと鼻をならしながら聞いてきた。

「あぁ、今日のはだぞ?」

「ふえっ!?」

「イリスさん特製っすか!?すごいっす~楽しみにしてるっす!!」

「楽しみにしとくといい。あぁ‥そうだ、みんなのことも起こしてきてくれるか?」

「了解っす!! 」

 ビシッとこちらに敬礼をしたグレイスは、みんなが眠っている方へと向かっていった。

「あ、あの……ヒイラギさん?」

「ん?」

「さっき私の特製って、言ってましたよね?」

「間違いじゃないだろ?イリスが味付けしたし、メインとなる調理もしたからな。」

「そ、それはそうかもしれないですけど。」

「大丈夫、イリスが美味しいって思ったなら、みんなも美味しいって思うさ。」

 自分で味見して美味しいものを出すのが料理人だ。

 普段の食事の反応を見ている限り、イリスの味覚は問題ないようだから、彼女が美味しいと感じたものならみんなも美味しく感じる……はず。
 特に調味料の入れすぎとかも無かったし、きっと大丈夫。

「そうでしょうか……。」

 不安を隠せない様子のイリス。その気持ちは大いにわかる。

 初めて自分が作った料理を他人に提供する時って、やっぱり不安になるからな。
 それできっぱり美味しいと言われれば大きな自信になるんだが……。

 そして料理を配膳し終えた頃、みんなが起きてこちらに向かってきた。

 一通りみんなと挨拶をかわした後、各々いつものテーブル席に座り、朝食を食べる準備ができた。

「今日のご飯はイリスさんの特製らしいっすよ!!」

「イリスお姉さんが作ったの!?」

「あら、そうなの?すごく美味しそうに出来てるじゃない。」

 料理を見たみんなの反応は上々……後は食べた後の反応だな。

 みんなの好反応にイリスの不安は更に煽られたらしく、先ほどからずっとそわそわしている。

「さぁ、それじゃあ冷めないうちに食べよう。」

「「「いただきま~す!!」」」

 そしてみんな一斉にタコライスを口へと運んだ。
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