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第四章
再出発
しおりを挟むさて、昼ごはんも食べ終わったし、そろそろ今日のこれからの予定について話し合うとするか。
「これからの予定だが、恐らく今日のうちに人間の国に入るのは少し時間的にキツイ。だから人間の国に繋がる穴がある村で夜営をしようと思うんだが…どうだ?」
あの穴を通ってこの国に来るまでに結構時間がかかったからな。しかもあの中では、ハウスキットなんて使うスペースは無いため料理もできないし、寝ることも不可能だ。
つまり一度入ったら出口まで歩ききるか、もしくは引き返すかのどちらかになる。それにこの街からあの村まではまだ距離があるし、今日のうちにあの穴を越えることはあまり得策ではないような気もするのだ。
「うむ、我はそれで構わん。」
「私もそれで賛成よ。」
「わかった。他のみんなもそれでいいか?」
ドーナ達もコクコクと頷き肯定の意思を示した。よし、じゃあ今日の方針も決まったことだしそろそろ出発するとするか。
「じゃあそろそろ出発するぞ。今馬車の用意をするからな。」
そして俺はグレイスを引き連れて馬車の用意を始めた。
「どうだグレイス、キツくないか?」
「大丈夫っす~。」
「よし、みんな乗って大丈夫だぞ。」
グレイスに馬車の装備を着け終わったのでみんなに声をかけると、一斉にみんな馬車に乗り込んでいく。
全員乗り込んだことを確認してからグレイスの手綱を握った。
「それじゃあグレイス、頼んだぞ。」
「了解っす!!」
そして再び馬車が動き始めると、あっという間にさっきまでいたジンバという街を置き去りにした。それから少しして、深い森の中を突き進んでいる最中…あることを思い出した。
(そういえば魔物を産み出していた結晶のことをイリスに聞いてなかったな。)
ふと思い出した俺はバッグの中に手を入れてあの結晶を取り出した。
「イリスに聞くより、これを使っていた張本人に聞いた方が早いか。」
そう思った俺は馬車の中にいるリリンに声をかけた。
「なぁリリン、これなにかわかるか?」
「あら‥それってあれじゃない?私がもらった魔物を産み出す結晶よね?」
「あぁ、以前破壊したものなんだが…。どうやってこいつで魔物を産み出していたのか理屈がわからなくてな。」
「そんなの私も知らないわよ。だってただ渡されただけだし?」
ふむそうか。なにかわかればと思ったんだが、あっちもなかなか情報をつかませてくれないな。
きっと死の女神が作り出したものだろうし、もしかするとイリスにも聴いてみれば何かわかるかもしれない。
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