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第四章
アルハラ
しおりを挟むグイッと一息でアルコール度数の高い酒を飲み干してしまった三人。まだそんなに酒に慣れていないのに、いきなりそんなアルコール度数の高いやつを一気に飲んだら……。
「ッはぁ~、凄い体が熱くなってきたわ~。」
「アタイもだよ。ちょっと上一枚脱ごうかねぇ。」
「私も一枚…ってこれ以上脱げませんね♪」
皆一様に顔が真っ赤に染まっている。相当先程飲み干した酒が効いているらしい。
「み、みんな大丈夫なのか?」
「えぇ~?らいじょうぶよ~♪れもちょっとくりゃくりゃするわ~。」
ランは既に呂律が回らなくなっている。言動から察するに視界も歪んでいるようだ。その後少しすると彼女は円卓に突っ伏して眠ってしまった。
「あっはっはぁ~、だらしないねぇラン~?アタイはまだ飲め……る。」
円卓に突っ伏して眠ってしまったランを指差して笑っていたドーナだったが、話している途中で目がとろん…と蕩け始め、ラン同様円卓に突っ伏して眠ってしまった。
「イリスは大丈夫か?」
イリスの方に顔を向けると、なにやら口元を押さえて顔が真っ青になっていた。
「うぅ…なんだか気持ち悪いです。私先にお暇してます。」
そう言うとフラフラとした足取りでマジックバッグの中へと入っていった。イリスにはさっきの酒は強すぎたらしい。
一周回って気持ち悪くなったようだ。たぶん今頃神華樹の中に戻って養生していることだろう。
「普通ならあぁなるのだぞ?」
「まぁ自分でいうのも何だが酒の強さには自信があってな。」
「もはやそれは強いどうこうで言い表せる強さでは無いような気もするのだが……。」
「まぁな。で…どうする?まだ飲むか?」
強がっているシンもそろそろ限界だろう。無理して飲ませて明日に響いても困るし…。
「いや、ヒイラギを酔わせるのは無理だとわかった故、止めにするとしよう。」
「それが良い、普通に料理のお供として楽しむのが一番美味しい楽しみ方だからな。」
二人で笑いあっていると、シンの肩にポンと手が置かれた。
「ではシン坊、妾と共に飲め。」
今まで俺とシンの我慢比べを傍観していたミクモがシンに向かってそう言った。その言葉にシンの顔からぶわっと冷や汗が吹き出る。
「い、いや…ミクモ殿実のところ我はそろそろ限界で……。」
「なんじゃ?妾の注ぐ酒が飲めぬと申すのか?おん?」
問答無用と言わんばかりにシンの盃にミクモがあの強い酒を注ぐ。しかもなみなみと……。
これが俗にいうアルハラというやつなんだろうな。
その後シンは酔いつぶれるまでミクモに付き合わされていた。
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