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第四章

戦争終結を祝う大宴会

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 厨房から出るとみんなが出迎えてくれた。

「お疲れ様ヒイラギ、相変わらず凄い手際だったわね。」

「一人で大丈夫って言ってた意味がよくわかったよ。」

「慣れだよ。何回かこういう風に一人で何百人分の料理を作ってればできるようになる。」

 日本にいた頃は料理長が働かないから、アラカルトのオーダーも宴会の料理も全部俺がやっていたからな。
 今となってはどれから始めれば最短で料理が出来上がるのか……頭のなかに勝手に行程が浮かんでくる。思い返せばよい経験だったのかもしれない。

「慣れ……かぁ~。簡単に言うわね。」

「ホントにそうだからな。まぁ、みんなもう少し料理に慣れたらこういう大量調理もできるようになるよ。」

 いつもやってる料理の材料が倍になるだけだからな。実はやっていることは意外と大したことはない。ただ、盛り付ける動作は速くしないと量が多いからあんまり遅いと冷めてしまう。

 そこだけ気を付ければ大丈夫だと思う。

「さぁみんな料理もできたから一緒に運ぶぞ。早く食べたいだろ?」

 その言葉にみんなはコクコクと頷き、各々一つずつ料理が盛られた皿を持って外へ出た。

「レイラ、料理ができたから運ぶの手伝ってくれないか?」

「かしこまりました。」

 そしてレイラは俺が持っていた料理を手に取ると、先頭に立って宴会場まで皆を先導した。俺も続かなければと急いで厨房から料理を持って外に出ると、いつの間にやら店の前にたくさんのメイド達が待機していた。

 そこから料理のバケツリレーが始まり、あっという間に全ての料理が運び出された。

「ありがとう、今ので最後だ。」

 最後の料理を運び出すと、たくさんいたメイドはこちらに一礼をして王宮の方へと戻っていった。彼女たちと入れ替わるようにレイラがこちらへと歩いてきた。

「ヒイラギ様お疲れ様でございます。もう皆様お待ちになっておりますのでこちらへどうぞ。」

「あぁ、お願いするよ。」

 レイラに続いて王宮の中へと入り、以前宴会を開いた会場まで案内された。

「それでは中の方へとどうぞ。」

 レイラともう一人のメイドが扉を開けた。すると大きな拍手と歓声が俺を出迎えた。

(おぉ…めっちゃ恥ずかしいなこれ。)

 恥ずかしがりながらも前へと進み、ドーナ達が座っている席へと向かう。そこにはドーナ達の他にシンとミクモとリリン達、そしてジルとエノールとグリズ達が座っていた。

 一番大人数の円卓だな。その円卓の空いていたシンのとなりの席に座ると拍手と歓声が止んだ。するとシンが立ち上がり言った。

「さて、本日の主役が来たところで戦に勝利した記念の宴会を始めようと思う。皆よ今宵は無礼講だ、存分に楽しむがよい!!」

 シンのその言葉と共に再び大きな歓声が上がり今宵の大宴会が幕を開けた。
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