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第四章

二人の嫉妬

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 そしてあっという間にパンケーキが無くなり、楽しかった昼食は幕を閉じた。

「はぁ~っ、おいしかったわ~。」

「今日のは一段と楽しかったし、美味しかったよ。」

「お腹いっぱい……しあわせ~。」

「ついつい食べすぎちゃいましたね。」

「もう今日は飛べないっす……。」

 みんなお腹パンパンになったようだ。パンケーキは結構腹にたまるし、それに加えトッピングもいっぱいしてたからな。

「そういえばもう出発の準備は終わったの?」

「あぁ、滞りなく終わったよ。そんなに準備することも多くはなかったからな。」

 サラマンダーの肉を受け取って、ミルタさんへのお土産を買って……それで終わりだ。

「ミルタへの土産は決まったのかい?」

「美味しい芋酒を買ったよ。」

「いいんじゃないかい?あいつも酒は嫌いじゃないだろうからねぇ。」

 酒の話をしていると、ふと思い出したようにランが呟いた。

「お酒……この前の宴会は一口しか飲まなかったけど、今日はたくさん飲もうかしら。」

「アタイも今日は酔っ払いたい気分だねぇ。」

「ふ、二人とも程々にしてくれよ?」

 二人が酔っ払うと大変だからな……いろいろと。

「ふふっ♪ちなみに私は今日ヒイラギさんと一緒に飲みましたよ?」

 ここでイリスが不意に爆弾を投下……

「ちょっと!?ワタシ達を差し置いて、それはいったいどういうことかしら!!」

「詳しく説明がほしいねぇ~ヒイラギ?」

「い、いや……芋酒どれにしようか迷ってたら、親切な店員さんが試飲させてくれたんだ。それでたまたまイリスもその場にいたから…………。」

 嘘偽りなく本当のことを話すと、ランとドーナの二人はジト目でこちらを見つめてくる

「ふぅん……なら今日の夜はワタシ達とも一緒に飲んでくれるのよね?」

「へっ!?」

「当たり前……だよねぇ?」

 不味い状況になってしまった。

「あ、その……ほ、ほら!!明日は朝早くに出発だから……次の日にお酒が残ってたら大変だぞ?」

「そんなこと心配しなくても大丈夫よ。」

「だってそこにある実を食べれば……ねぇ?」

 ドーナが指差したのは神華樹だ。今は小さい果実と花がついている。

「う……そ、それは。」

「今日の夜は宴会なんでしょ?お酒を飲んで~パーッと楽しみましょうよ?」

「アタイもランに同意だよ。」

 そういわれてしまっては何も言い返せないな。美味しい料理には美味しいお酒が合う。

 それに宴会は楽しんでなんぼだ。

「はぁ……わかった。その代わり、飲み過ぎるんじゃないぞ?」

 ラン達に正論をぶつけられ、俺はしぶしぶ二人の飲酒を承諾したのだった。
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