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第四章
待ちわびたいなり寿司
しおりを挟むレイラに声をかけて少しすると、みんながこちらに向かって歩いてきた。
疲れているのかあくびをしている人もちらほら見える。昨日の疲れがまだ抜けきっていないらしい。
「お兄さんおはよ!!」
「あぁおはよう。シアは今日も元気だな。」
シアは相変わらず元気なようだ。子供だから疲れがとれるのも早いのだろう。
「ヒイラギさんおはよう!!ボクも元気だよ!!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねながらフレイも元気アピールをしてきた。
跳び跳ねているフレイに、いつもとは少し違うところを発見する。
「ん?フレイ、その髪寝癖か?」
「うぇっ!?ねっ寝癖っ、どこっ!?」
フレイの頭のてっぺんに立派な寝癖ができていた。先ほど跳び跳ねているときにそれも一緒になってぴょんぴょんしていたのだ。
「ライラ~。」
フレイに呼ばれたライラは、即座にポケットから櫛を取り出してフレイの髪をとかしていた。
だが……
「!?」
普通の寝癖であれば直っただろうが、今回のフレイの寝癖は一味違うらしく、直されても再びぴょんっとフレイの頭に生えてきた。
「直った~?」
「妹様……後でお水でちゃんととかしますので、少々我慢していただいてもよろしいでしょうか?」
「うぅ…直らないなら仕方ないよね。わかった我慢するよ。」
しょぼん……とショボくれるフレイを尻目に、ミクモが俺の腕をグイグイと引っ張ってきた。
「お主っ!!早う中へはいるのじゃ!!妾は早く油揚げが食べたいのじゃ!!」
「わ、わかったから引っ張るなって!!」
そのままズルズルとミクモに中に引きずり込まれてしまう。
「ワタシ達も中に入りましょ?」
「そうだねぇ~。」
俺とミクモが店の中に入ったのを皮切りに、みんなも続々と中へ入りいつものテーブル席に腰かけた。
「ほい、これがいなり寿司な。」
山盛りに盛られたいなり寿司をテーブルの真ん中に置くと、ミクモがすぐに目を輝かせた。
「おぉ~!!油揚げなのじゃ!!」
「ほっ……今日は我もちゃんと食べられそうだな。」
「もしなくなったらおかわり作るから、遠慮せずに食べてくれ。」
ジュエルサーモンのあら汁もみんなの前に配膳し、俺もソファーに腰かける。
「ふぅ、それじゃ食べようか。」
すでに待ちきれなさそうなミクモはすぐに手を合わせた。
「ほれ!!皆も早ぅ手を合わせるのじゃ!!」
「せっかちねぇ~、まぁワタシもお腹すいてるからいいけど。」
ミクモに続きみんなも手を合わせ……。
「「「「いただきます!!」」」」
今日も賑やかな朝食が始まった。
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