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第三章
ミクモとシンの関係
しおりを挟む教会の話が一区切りついた所で、シンはあることを聞いてきた。
「そういえばミクモ殿には会えたか?」
「ん?あぁ、ちゃんと袴を作ってくれるように頼んできたよ。」
「そうか、何事もなかったようで安心したぞ。」
ホッとシンが安堵の息を吐いた。決して何事もなかったわけではないがな。
「なんでそんなに安心してるんだ?」
「いやな、あの方はとてもいたずら好きなのだ。我も何回も被害にあっておる。そのいたずらが過激なときもあるからな。ヒイラギがその被害にあってなくて安心したのだ。」
シンの言う通り、ミクモはかなり…………うん、いたずら好きという言葉が可愛く見えるほど、破茶滅茶な人物だった。
「そういえば、ミクモはシンの師匠なんだろ?」
「うむ、我がここまで登り詰められたのは、間違いなくあの方のお陰だ。」
「今のシンより強いか?」
「うむ、間違いなく強い。なんせまず攻撃が当たらぬからな。」
俺の問いかけに、彼は苦笑いしながらも即答した。
「そんなに強いなら何で王を目指さなかったんだ?」
「王になると縛られてしまうからと言っていた。我も王の座に就いてからわかったが、王という者は何をするにも制限されてしまう。ミクモ殿はこうなることを知っておったのだろうな。」
なるほどな、ミクモは恐らく自由に自分のしたいことをしていたいんだろう。
あんな性格だし……な。
「さてと、話すことも話せたし……そろそろ上がって飯を作るか。」
そう口にすると、シンが食い気味に詰め寄ってきた。
「飯かっ!!今日は何を作るのだ?」
「今日はミストゴートを使って色々やってみようと思う。」
「なに!?ミストゴートだと?それは楽しみだ……こうしてはおれんっ!!早く上がって着替えるとしよう。」
いそいそと脱衣場へ向かうシン。俺もその後を追って風呂から上がるのだった。
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