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第三章
ミクモの自信
しおりを挟む精神をゴリゴリと削られながらなんとかブラケにたどり着くと、ミクモはさぞ楽しそうに笑いながら一言謝ってくる。
「いやぁ~すまんのぉ。愛い反応じゃった故ついついやり過ぎてしもうた。」
「ホント気を付けてほしいわ!!」
「次は無いからねぇ……。」
くつくつと笑うミクモに明らかな敵意をむき出しにする、ドーナとランの二人。
「それはそうと、ミストゴートの毛皮ちゃんと取ってきたぞ。」
「おぉ~、良く倒せたのぉ。いったいどんな手を使ったのじゃ?」
「どんな手もなにも、シアが倒してしまったからな。」
実際に見た光景は、ミストゴートが地面に埋まっていた光景だけだ。それまでに何があったのかはシアしか知らない。
「あと、これも直せないか?」
俺は破かれてしまったシアの洋服をミクモに手渡した。
「ん?これはまたずいぶん派手に破れておるなぁ。さっき嬢ちゃんが着ていた服じゃな。」
「うん、ヤギさんに破かれちゃったの。」
しょんぼりしながらシアはミクモにそう答えた。まだ服が破かれたことがショックらしい。
「むっふっふ、妾に任せるのじゃ!!このぐらい妾にかかればあっという間に直してみせよう。」
シアを慰めるようにミクモは頭を撫でた。
「ホント!?」
「妾は法螺は吹かぬよ。任せておくのじゃ!!」
ミクモは自信満々に自分の胸に握りこぶしを当てながらそう言った。あんだけ派手に破れてても直せるものなんだな。服屋の店主だというのは伊達ではないらしい。
ミクモの言葉にシアもひと安心したようで表情が明るい。
「助かるよ、それで袴はどのぐらいでできそうだ?」
「明日には仕上げて見せるのじゃ。」
「明日っ!?そんなに早くできるのか?」
「急ぎで必要なのじゃろ?それに今は仕事もなくて暇だったからのぉ。ようやく良い暇つぶしができるというものじゃ。」
仕事がないぶん集中できるということか。それでも明日までに仕上げるなんて、とんでもない自信だな。
「急がせてすまないがお願いするよ。」
「うむ、妾に任せておくのじゃ!!」
ミクモにシアの洋服とかことは完全にお任せするとして、聞きたかったあのことについて少し聞いてみようか。
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