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第三章
獣人会議
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シンside
「大臣衆は集まっておるか?」
「はいもうすでにお集まりになっております。」
「うむ、では我もそろそろ赴こう。」
「ご案内いたします。」
我はメイドについていき大臣衆が集まっている円卓の会議室を目指した。今日は重大な話があると伝え、集まってもらっていたのだ。
王宮の中を歩くこと数分で会議室に着いた。
「どうぞシン様お入りください。」
「うむ。」
我が中へ入ると先に集まっていた大臣衆が立ち上がった。そして一番奥にある王専用の席に深く腰掛けた。
「皆楽にしてくれ。」
その言葉とともに立ち上がっていた大臣衆が席に着いた。いつも思うが堅苦しくてかなわん。
なんてことを前にも言ったことがあるが、敬意を払わねば不敬罪に値してしまうと言われてしまったからな。
我が即位している間に不敬罪は撤廃すべきかもしれん。
「皆、急な呼び立てにも関わらずこのように集まってくれたことに礼を言う。」
「何をおっしゃいますか、我らの王が言ったことに従うのは家臣の務めでございます。」
そう羊の獣人のメーネルは言った。
「そう言ってくれると助かるぞ。さて、今回集まってもらった理由だが…どうやら再びこの国に脅威が迫っておるようなのだ。」
我のその言葉に会議室がざわつき始めた。当然と言ってはあれだが、こうなることは予想できていた。辺りがざわつく中、ガルドが手を挙げた。
「恐れながら王よ、それは確かな情報なのですか?」
「ガルドあなたは王のお言葉を疑うのですか!!」
ガルドの言葉にメーネルは思わず立ち上がり言葉を強くして言った。相変わらず仲がいいのか悪いのかわからぬ二人だ。
緊急の時はいい連携を発揮してくれるのだがな。
「二人とも落ち着くのだ。まずガルドよ、この情報は間違いない情報だ。しかも猶予がない、その上我でも敵わぬほどの者が来る。」
「王が敵わないですと!?」
「ならばここを放棄して逃げるしか方法がありませんな。」
驚くガルドに冷静にメーネルは言った。
「うむ、だからもし襲撃が起こった場合我らは民を連れここを離れる。」
「王都を放棄するのですか!?」
「落ち着くのだガルドよ。まだ王都を捨てるとは言ってはおらん。」
動揺するガルドを落ち着かせ、話を続ける。
「この王都は力が及ばない我々の代わりにヒイラギとリリンが守る。そこで我らは彼らが思う存分戦えるように、民の避難誘導を迅速に行うのだ。」
「なるほど…王のお考えは分かりました。ですが、あの人間の勇者たちはその強敵に勝てるのですか?」
ガルドの質問に大きく頷いて答えを示す。
「勝つ…ヒイラギ達ならば絶対に勝つ。我はそれを信じておる。」
「大臣衆は集まっておるか?」
「はいもうすでにお集まりになっております。」
「うむ、では我もそろそろ赴こう。」
「ご案内いたします。」
我はメイドについていき大臣衆が集まっている円卓の会議室を目指した。今日は重大な話があると伝え、集まってもらっていたのだ。
王宮の中を歩くこと数分で会議室に着いた。
「どうぞシン様お入りください。」
「うむ。」
我が中へ入ると先に集まっていた大臣衆が立ち上がった。そして一番奥にある王専用の席に深く腰掛けた。
「皆楽にしてくれ。」
その言葉とともに立ち上がっていた大臣衆が席に着いた。いつも思うが堅苦しくてかなわん。
なんてことを前にも言ったことがあるが、敬意を払わねば不敬罪に値してしまうと言われてしまったからな。
我が即位している間に不敬罪は撤廃すべきかもしれん。
「皆、急な呼び立てにも関わらずこのように集まってくれたことに礼を言う。」
「何をおっしゃいますか、我らの王が言ったことに従うのは家臣の務めでございます。」
そう羊の獣人のメーネルは言った。
「そう言ってくれると助かるぞ。さて、今回集まってもらった理由だが…どうやら再びこの国に脅威が迫っておるようなのだ。」
我のその言葉に会議室がざわつき始めた。当然と言ってはあれだが、こうなることは予想できていた。辺りがざわつく中、ガルドが手を挙げた。
「恐れながら王よ、それは確かな情報なのですか?」
「ガルドあなたは王のお言葉を疑うのですか!!」
ガルドの言葉にメーネルは思わず立ち上がり言葉を強くして言った。相変わらず仲がいいのか悪いのかわからぬ二人だ。
緊急の時はいい連携を発揮してくれるのだがな。
「二人とも落ち着くのだ。まずガルドよ、この情報は間違いない情報だ。しかも猶予がない、その上我でも敵わぬほどの者が来る。」
「王が敵わないですと!?」
「ならばここを放棄して逃げるしか方法がありませんな。」
驚くガルドに冷静にメーネルは言った。
「うむ、だからもし襲撃が起こった場合我らは民を連れここを離れる。」
「王都を放棄するのですか!?」
「落ち着くのだガルドよ。まだ王都を捨てるとは言ってはおらん。」
動揺するガルドを落ち着かせ、話を続ける。
「この王都は力が及ばない我々の代わりにヒイラギとリリンが守る。そこで我らは彼らが思う存分戦えるように、民の避難誘導を迅速に行うのだ。」
「なるほど…王のお考えは分かりました。ですが、あの人間の勇者たちはその強敵に勝てるのですか?」
ガルドの質問に大きく頷いて答えを示す。
「勝つ…ヒイラギ達ならば絶対に勝つ。我はそれを信じておる。」
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