上 下
301 / 1,008
第三章

獣人族の国の野菜と果物

しおりを挟む

 果物がたくさん並べられているお店を訪ねてみる。

「いらっしゃいませ~……って、あっ!!人間の勇者様じゃないですか!!」

「驚かせてすまない。」

「いえいえ!!こちらこそ失礼しました。本日は何かお探しですか?」

「あぁ、この国でしか採れない珍しい果物を見に来たんだが。」

「それでしたら、こちらなんてどうでしょう?」

 そう言って店員が指し示したのは真っ白なリンゴだった。いったいこのリンゴの何が珍しいと言うのだろうか?

「これは?」

「こちらはといいまして、今は真っ白なのですが食べる瞬間に色が変わって味も変化するという面白い果物です。」

 ほぉ~それは確かに面白い。どんな味があるのか、あとでみんなで食べてみてもいいかもな。

「じゃあそれを10個もらおう。」

「ありがとうございます!!」

 店員にお金を渡し七色アプルを受けとる。これは後で皆で食べよう。

 チラッとランを見てみると、何やら一つの果物をまじまじと見ていた。

「それ気になるのか?」

「うん、なんかこれドラゴンの鱗みたいじゃない?」

 ランが持っていたのはドラゴンフルーツのような果物だった。

「あっ!!それはですねっていいます。皮は硬いんですけど中の実は柔らかくて美味しいんですよ~。」

「じゃあこれも10個頼む。あと、これとこれも10個ずつ。」

 スケイルフルーツの他にいくつか果物を購入する。後でケーキの材料に使うためだ。

 代金を渡して果物を受け取りバッグへとしまう。

「後でこれは食べてみような?」

「うん、ありがと。」

 さて、一先ず果物はこのぐらいでいいか。次は野菜を見てみよう。

 隣にあった八百屋に顔を出してみると、ここの店主は先ほどの俺たちの会話を聞いていたらしく…。

「へいラッシャイ!!勇者サマ、珍しいモン探してンだって?」

「あぁ、何かオススメのはあるか?」

「おうともさ!!こいつなンてどうだ?」

 店主が出してきたのは、なにやら導火線のような蔓がついたカボチャのような野菜だった。

「こいつはつうンだ!!」

「ボムパンプキン?」

 ずいぶん物騒な名前だ、爆発するんじゃないか?

「調理は簡単だ。ここの蔓に火を点けて中の種が爆発するのを待つだけだ。」

どうやらこのボムパンプキンという野菜は本当に爆発するらしい。やはりこの蔓は導火線だったようだ。

「味は美味しいのか?」

「保証するぜ!!」

 ふむ…まぁ面白そうだし買ってみるか。ボムパンプキンの他に何種類か野菜を購入して、店を後にした。

「さて、次は鮮魚を見に行くか。」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。 降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。 森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。 その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。 協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

人間だった竜人の番は、生まれ変わってエルフになったので、大好きなお父さんと暮らします

吉野屋
ファンタジー
 竜人国の皇太子の番として預言者に予言され妃になるため城に入った人間のシロアナだが、皇太子は人間の番と言う事実が受け入れられず、超塩対応だった。シロアナはそれならば人間の国へ帰りたいと思っていたが、イラつく皇太子の不手際のせいであっさり死んでしまった(人は竜人に比べてとても脆い存在)。  魂に傷を負った娘は、エルフの娘に生まれ変わる。  次の身体の父親はエルフの最高位の大魔術師を退き、妻が命と引き換えに生んだ娘と森で暮らす事を選んだ男だった。 【完結したお話を現在改稿中です。改稿しだい順次お話しをUPして行きます】  

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

処理中です...