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第三章
獣人族の国の野菜と果物
しおりを挟む果物がたくさん並べられているお店を訪ねてみる。
「いらっしゃいませ~……って、あっ!!人間の勇者様じゃないですか!!」
「驚かせてすまない。」
「いえいえ!!こちらこそ失礼しました。本日は何かお探しですか?」
「あぁ、この国でしか採れない珍しい果物を見に来たんだが。」
「それでしたら、こちらなんてどうでしょう?」
そう言って店員が指し示したのは真っ白なリンゴだった。いったいこのリンゴの何が珍しいと言うのだろうか?
「これは?」
「こちらは七色アプルといいまして、今は真っ白なのですが食べる瞬間に色が変わって味も変化するという面白い果物です。」
ほぉ~それは確かに面白い。どんな味があるのか、あとでみんなで食べてみてもいいかもな。
「じゃあそれを10個もらおう。」
「ありがとうございます!!」
店員にお金を渡し七色アプルを受けとる。これは後で皆で食べよう。
チラッとランを見てみると、何やら一つの果物をまじまじと見ていた。
「それ気になるのか?」
「うん、なんかこれドラゴンの鱗みたいじゃない?」
ランが持っていたのはドラゴンフルーツのような果物だった。
「あっ!!それはですねスケイルフルーツっていいます。皮は硬いんですけど中の実は柔らかくて美味しいんですよ~。」
「じゃあこれも10個頼む。あと、これとこれも10個ずつ。」
スケイルフルーツの他にいくつか果物を購入する。後でケーキの材料に使うためだ。
代金を渡して果物を受け取りバッグへとしまう。
「後でこれは食べてみような?」
「うん、ありがと。」
さて、一先ず果物はこのぐらいでいいか。次は野菜を見てみよう。
隣にあった八百屋に顔を出してみると、ここの店主は先ほどの俺たちの会話を聞いていたらしく…。
「へいラッシャイ!!勇者サマ、珍しいモン探してンだって?」
「あぁ、何かオススメのはあるか?」
「おうともさ!!こいつなンてどうだ?」
店主が出してきたのは、なにやら導火線のような蔓がついたカボチャのような野菜だった。
「こいつはボムパンプキンつうンだ!!」
「ボムパンプキン?」
ずいぶん物騒な名前だ、爆発するんじゃないか?
「調理は簡単だ。ここの蔓に火を点けて中の種が爆発するのを待つだけだ。」
どうやらこのボムパンプキンという野菜は本当に爆発するらしい。やはりこの蔓は導火線だったようだ。
「味は美味しいのか?」
「保証するぜ!!」
ふむ…まぁ面白そうだし買ってみるか。ボムパンプキンの他に何種類か野菜を購入して、店を後にした。
「さて、次は鮮魚を見に行くか。」
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