転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)

しゃむしぇる

文字の大きさ
上 下
299 / 1,052
第三章

明日の姿に期待を込めて

しおりを挟む

「美味しかったけど……も、もうたべられないわ。」

「ぼ、ボクももう限界ぃ…。」

 吸血鬼二人はお腹を膨らませてダウンしていた。まぁ、あれだけ食べればそうなる。

「は~、美味しかった!!美容にいいって物をこんなにたくさん食べたから明日が楽しみね♪」

「アタイもこんだけ食べたし……少しは綺麗になるといいけど。」

「シアもい~っぱい食べたよ!!綺麗楽しみ~♪」

「自分もたくさん食べたっす!!」
  
「ふふふっ♪私も、ついついたくさん食べちゃいました。」

 こちらの女性陣も普段よりもたくさん食べていた。皿に積み重ねられたロックリザードの骨の量がそれを物語っている。

 呆気にとられていると、シンにちょんちょんと肩をつつかれた。

「なぁヒイラギよ、一つ聞きたいのだが。」
 
「ん?どうしたんだ?」

「そのとやらは、我にも効果はあるのか?」

「あると思うぞ?明日になれば、毛並みが良くなるんじゃないか?」

 あくまでも予想の範疇に過ぎないが……傷んだ毛等は少しは良くなるのではないだろうか。

「本当か!?いやな、最近たてがみの傷みが気になっていたのだ。」

「あ、あぁ……そうなのか。」

 シンがそういうところを気にしているのは意外だった。王としての身だしなみ……ということを考えれば当たり前ではあるのか?

「さて、夜も更けてきたな。明日のこともある、今日のところはこれで失礼するとしよう。今日は馳走になった、感謝するぞヒイラギ。」

 そしてシンはメイドと共に王宮の方へと帰っていった。

「俺達も部屋に戻るか。ライラ、そっちは大丈夫か?」

「問題ない。リリン様、妹様歩けますか?」

「なんとか……ね。」

「うん、た、多分大丈夫。」

 リリンとフレイはグロッキーになりながらも、なんとか立ち上がりライラに案内され自室へと向かった。

 あの状態を見るに、多分今日はフレイの吸血はなさそうだ。

「それじゃ俺達も部屋に行くか。」

「そうね、そうしましょ~。」

 夕食を終えて部屋に戻ると、各自風呂に入りに向かった。

 お風呂で1日の疲れを流して、部屋に戻ってくると……。

「ん?まだ誰も戻ってないのか。」

 部屋には俺以外誰もいなかった。

 まぁ、みんなコラーゲンで舞い上がっていたからな、その影響で多少お風呂に時間をかけているのだろう。

 椅子に座ってゆっくりしていると、急にウトウトしてきてしまった。

「ん……ちょっと横になろうかな。」

 ベッドの真ん中にゴロン…と横になり、目を閉じるとすぐに意識が深い微睡みの中に落ちていった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜

むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。 幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。 そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。 故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。 自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。 だが、エアルは知らない。 ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。 遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。 これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜

自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで220万PV達成! 理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」 これが翔の望んだ力だった。 スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!? ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ

雑木林
ファンタジー
 現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。  第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。  この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。  そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。  畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。  斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

処理中です...