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第三章

明日の姿に期待を込めて

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「美味しかったけど……も、もうたべられないわ。」

「ぼ、ボクももう限界ぃ…。」

 吸血鬼二人はお腹を膨らませてダウンしていた。まぁ、あれだけ食べればそうなる。

「は~、美味しかった!!美容にいいって物をこんなにたくさん食べたから明日が楽しみね♪」

「アタイもこんだけ食べたし……少しは綺麗になるといいけど。」

「シアもい~っぱい食べたよ!!綺麗楽しみ~♪」

「自分もたくさん食べたっす!!」
  
「ふふふっ♪私も、ついついたくさん食べちゃいました。」

 こちらの女性陣も普段よりもたくさん食べていた。皿に積み重ねられたロックリザードの骨の量がそれを物語っている。

 呆気にとられていると、シンにちょんちょんと肩をつつかれた。

「なぁヒイラギよ、一つ聞きたいのだが。」
 
「ん?どうしたんだ?」

「そのとやらは、我にも効果はあるのか?」

「あると思うぞ?明日になれば、毛並みが良くなるんじゃないか?」

 あくまでも予想の範疇に過ぎないが……傷んだ毛等は少しは良くなるのではないだろうか。

「本当か!?いやな、最近たてがみの傷みが気になっていたのだ。」

「あ、あぁ……そうなのか。」

 シンがそういうところを気にしているのは意外だった。王としての身だしなみ……ということを考えれば当たり前ではあるのか?

「さて、夜も更けてきたな。明日のこともある、今日のところはこれで失礼するとしよう。今日は馳走になった、感謝するぞヒイラギ。」

 そしてシンはメイドと共に王宮の方へと帰っていった。

「俺達も部屋に戻るか。ライラ、そっちは大丈夫か?」

「問題ない。リリン様、妹様歩けますか?」

「なんとか……ね。」

「うん、た、多分大丈夫。」

 リリンとフレイはグロッキーになりながらも、なんとか立ち上がりライラに案内され自室へと向かった。

 あの状態を見るに、多分今日はフレイの吸血はなさそうだ。

「それじゃ俺達も部屋に行くか。」

「そうね、そうしましょ~。」

 夕食を終えて部屋に戻ると、各自風呂に入りに向かった。

 お風呂で1日の疲れを流して、部屋に戻ってくると……。

「ん?まだ誰も戻ってないのか。」

 部屋には俺以外誰もいなかった。

 まぁ、みんなコラーゲンで舞い上がっていたからな、その影響で多少お風呂に時間をかけているのだろう。

 椅子に座ってゆっくりしていると、急にウトウトしてきてしまった。

「ん……ちょっと横になろうかな。」

 ベッドの真ん中にゴロン…と横になり、目を閉じるとすぐに意識が深い微睡みの中に落ちていった。
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