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第三章
神剛石……?
しおりを挟む数分イリスがロックリザードを撫でると、青白く光っていたオリハルコンが黄金色の眩い輝きを放ち始めた。
「はいっ!!これで大丈夫だと思いますよ。」
「ありがとう。鑑定してみるよ。」
変質したらしいオリハルコンに鑑定を使った。
・女神の希石
純粋な神気を大量に蓄えたオリハルコンが変質し、神剛石となり、更に昇華した鉱石。
この鉱石で作られた武器は魔を討ち祓い、防具は魔を寄せ付けない。
(あれ、なんか思ってたのと違う!?神剛石になるんじゃないのか!?)
そう心のなかで叫んでいると……。
「どうでしたか?張り切ってたっくさん注いだので凄いのになってましたか?」
満面の笑みでイリスが聞いてきた。
「あ、あぁ‥凄いのになってたよ。ありがとう。」
鑑定結果を見る限り、神剛石よりも更に上のランクの鉱石に変わってしまったようだ。
これが女神の力というやつだろう……多分。
「ふふっ、お役にたてて嬉しいです♪」
鉱石が変質する瞬間を隣で見ていたドーナが、ゴクリと生唾を飲みながら問いかけてくる。
「それが神剛石なのかい?」
「いや……神剛石の更に上の女神の希石って鉱石に変わったよ。」
「神剛石の更に上!?女神の希石!?そんなの初めて聞いたよ。」
ドーナでさえ聞いたことが無いとすれば、もしかすると……この世界で未だ未発見だった物を生み出してしまったのかもしれない。
一応武器屋の店主にも話を聞いてみよう。
そして頑張ってくれたイリスにお礼を告げて、ハウスキットをバッグにしまい、俺とドーナは王都を目指すのだった。
◇
それから少し時は流れ、俺達は再びエノール工房の扉を開けて中へと入った。
「お?お前さん方、もう戻ってきたのか!?」
「あぁ、ちゃんと取ってきたぞ。ここで出していいか?」
「いや、裏の工房で出してくれ。ここは客の目に入っちまうからな。こっちだ。」
俺達は店主に案内され、商品が並んでいる店内の裏側に案内された。
「ようし、ここなら大丈夫だ。ほれ、出してみな。」
「じゃあまずはこれだ。」
まずは魔鉄のロックリザードをバッグから出した。すると、店主はそれをまじまじと眺め始める。
「こいつは、鉄……いや、魔鉄か!!また珍しいモンを見つけたな!!」
「普通の鉄とは違うのか?」
「こいつは魔法を込めた属性武器を作るときの土台になるんだ。」
魔石と同じようなものかな?
「だが、残念ながらこいつじゃあ嬢さんの力には耐えれないぜ?魔鉄の強度は鉄と何ら変わり無いからな。」
「まぁ、もう一匹いるんだ。……凄いのが。」
さて、どんな反応を見せてくれるかな。
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