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第三章
見えない壁の攻略
しおりを挟むまずは様子見だ……あの見えない壁の攻略を見つけよう。
尻尾の攻撃を警戒しながら、少しづつロックリザードとの距離を詰める。後一歩でロックリザードの間合いに入るであろう距離に近付くと、驚くことにロックリザードは少しずつ後ろに下がり始めた。
やつもこちらをかなり警戒しているようだ。こちらが一歩踏み出せばロックリザードも一歩後ろへと下がる。
このままではいたちごっこになってしまうな。
どこかで流れを変えないと……そう思っていた瞬間、ロックリザードの方が先に動いた。背中の鉱石が眩い光を発したのだ。
「くっ!!」
目眩ましなんて、姑息な手も使うのか。だが、視界は取れなくても気配は感じ取れる。暗闇の中で精神を落ち着かせ気配を感じると…鋭い殺意のこもった何かが猛スピードで近付いてきているのがわかった。
恐らくは尻尾の攻撃だな。
前に踏み出しながら首を曲げ攻撃をかわす。尻尾の攻撃が通りすぎた後、頬に少し痛みを感じる。少し避けるのが甘かったようだが、致命傷を避けられただけよしとしよう。
やっと視界が戻り、状況を確認すると顔のすぐ横にロックリザードの尻尾があった。地面に深々と突き刺さっている。
一歩避けかたを間違えばあの尻尾に突き刺さっていたのは俺だったのだろう。
しかし、一つ大きな誤算がロックリザードにもあったらしい。尻尾が地面から抜けず焦っているようだ。グッグッと力を入れて引き抜こうとしているが、地面に深々と刺さっている尻尾はなかなか抜けないらしい。
チャンスだが、俺はゆっくりと歩いてロックリザードとの距離を縮めた。そして目と鼻の先まで距離を詰めたが……それ以上進めない。
目の前に見えない壁がある。
俺を進めなくしたロックリザードは悠々と尻尾を地面から抜き、そして再び振り下ろした。その瞬間、眼の前にあった壁が消えた。
「ここだっ!!」
迫り来る尻尾の攻撃より速く、ロックリザードの顎に拳を叩き込んだ。その衝撃で大きくロックリザードは上体を仰け反らせる。
仰け反るロックリザードの顎下に手を当てると、その勢いを地面へと向かってさらに加速させる。
「逆落とし。」
仰け反る勢いをさらに加速させ、ロックリザードの頭を思いっきり地面へと叩きつけた。
こいつは手応えありだ。
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