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第三章
聞き込み調査
しおりを挟むエノール工房を後にして大通りを歩いていると、ドーナが不安そうに聞いてくる。
「ちょ、ちょっとヒイラギ?ホントに今からいくのかい!?」
「ん?ドーナは嫌だったか?」
「い、いやそういうのじゃなくて迷惑…じゃないかい?」
そうドーナは少しうつむきながら言った。
「迷惑なわけないだろ?それにドーナだって、いつまでも武器がないのは困るだろ?」
「それは…そうだけど、ヒイラギは行きたいところとかないのかい?」
「俺?んー、まぁあれば行きたいところはあるけど、今の時間から行っても面白くない場所なんだ。」
まぁその場所は市場なんだが、市場は今から行ってもほとんどが物は無いだろうし、店も閉まっているだろう。
「それに今日はドーナに満足してもらいたいからな。」
「えっ!?あっ、うぅ~……め、面と向かってそういうこと言われると恥ずかしいよ。」
ドーナは真っ赤になった顔を手で覆い隠しながら言った。
恥ずかしさで顔を真っ赤にしているドーナをなだめ、何とか武器を作るための素材を取りに行くことに了承してもらった。
「あの店主の言ってた山は多分あれだな。」
俺の目線の先には頂上がツン…と尖っている特徴的な山があった。
「取りあえず門番の獣人に話を聞いてみれば、何か詳しいことがわかりそうだな。」
「少しでもあの山について情報がほしいし、ありだと思うよ。」
ドーナも賛成のようだ。俺達は以前この王都に入ってきたときに通った門を目指して歩いた。城門に近付くと、こちらに気がついた兵士が1人駆け寄ってきた。
「ヒイラギ様!!どこかへお出掛けでございますか?」
「ちょっとあの尖った山に行こうと思うんだ。」
「ロクロ山ですね?あそこは強い魔物と弱い魔物の差が激しいのでお気をつけて。」
どうやらあのとがっている山の名前はロクロ山というらしい。
「そうなのか、できればあの山について知っていることを聞きたいんだが。」
「私でよろしければ喜んでお教え致しますよ!!立ち話もなんですので中へどうぞ。」
兵士に案内され彼らの詰所に入った。さてロクロ山とはいったいどんな山なんだろうな。
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