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第三章

ドーナが行きたかった場所へ

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「ありがとうございましたー!!またのご来店を御待ちしておりまーす!!」

 元気な声で見送られ俺とドーナは店を後にした。こっそり店員にラン達の食事代も渡しておいた。

 店を出て一つ背伸びをすると、彼女に問いかける。

「それで、行きたい場所ってどこなんだ?」

「せっかく獣人族の国に来たからねぇ、この国の武器屋を見てみたいんだよ。」

 なるほど、武器屋か。国が違えば武器にも違いが出てくるだろうから、面白い発見があるかもしれないな。
 できれば包丁とか調理器具も扱ってると嬉しいんだが…。

「そういえばドーナは籠手をはめて戦ってたな。」

「そうだよ。こいつは冒険者時代からの相棒でねぇ、何回命を救われたかわかんないモノなのさ。」

 そうしみじみとした様子で、自分の相棒の籠手を擦りながら彼女は言った。

「冒険者だった頃から使ってるのか……良く壊れずに使えてるな。」

「それがねぇ、この前使ったときに遂に大きなヒビがが入っちゃったんだよ。」

 形ある物はいつかは壊れる。人にも寿命があるように物にも寿命というものは存在する。
 また人も唐突に死が訪れることがあるように物も突然壊れることもある。

 案外人と物は共通しているところはあるのだ。

 ドーナの場合、きっと道具の寿命が来てしまったのだろうな。

「そうか。しかしそんなに愛着のある物なら、ただ新しいのに変えるのは少し勿体ないな。それをベースにして新しく作り直せればいいが……。」

「できればそうしてもらいたいけど、できるかねぇ。」

「そういうのは武器屋に聞けばいいさ、専門じゃない俺達が考えたってわかることじゃない。」

 武器のことは武器屋に聞くのが一番だ。昔から餅は餅屋って言われてるようにな。

 そして二人で大通りを歩いていると、盾に剣が刺さっている特徴的な絵の看板を見つけることができた。

「あそこが武器屋じゃないか?」

「多分……。」

 近くに行ってみると、店にはと書いてある。

「合ってるみたいだな、入ってみるか?」

「もちろん!!」

 意気揚々とドーナは扉を開いた。

 店の中には壁にたくさんの武器が飾ってあり、少し物々しい雰囲気だ。
 そして店の奥から店主と思わしき人物が姿を現した。
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