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第三章

ドーナとデート

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 それから少し時が流れ、俺は今ドーナと王都を歩いていた。今思えばこうして二人で歩くなんて、レッドドラゴンに襲われたとき以来な気がする。

 まぁ、二人と言っていいのかはわからないが……チラッと後ろを見ると、ラン達がこっそりつけてきている。

「こうして二人で歩くなんて、ずいぶん久しぶりな気がするねぇ。」

「あぁ、ここ最近忙しない日々がtづいてたからな。もっとこういう時間を増やした方がいいか?」

「う、うん。そうだねぇ。」

 ドーナは少し…というかかなり緊張しているらしい。まぁそれは俺も同じなのだ、冷静を装ってはいるものの、内心心臓がはち切れそうなぐらいバクバクと脈打っている。

 王都の大通りを二人で歩いていると…。

「あっ!!人間の勇者様だ~!!」

 獣人族の子供達が集まってきてしまった。シアより少し幼いぐらいの子供達に、俺とドーナはあっという間に囲まれてしまった。
 俺がお礼を言われたりしている中、ドーナは獣人の女の子達から質問攻めにあっていた。

「ねーねー、お姉さんは勇者様のお嫁さんなの?」

「お…お、お嫁!?あ、えっと……そ、そんな感じなのかねぇ。」

 しどろもどろになりながらも、ドーナはそう答えていた。その顔は赤く染まっている。

「お姉ちゃんお顔真っ赤だよ~?」

「お熱あるの~?」

「あ、いや、そんなんじゃなくて……。」

 ドーナがあわてふためいている姿はいつ見ても新鮮だな。でも、そろそろ助け船を出してやらないと可哀想だ。。

「みんな、ちょっといいかな?」

「なに~?」

「ここで面白い場所って知らないかな?」

 生憎俺達はここの土地勘がない。それに子供でも楽しめる場所なら、俺達でも楽しめる可能性も十二分にある。

「あるよ~!!」

「こっちこっち!!着いてきて~!!」

 すると意外にも子供たちはみんな同じ方向へと走り出した。

「た、助かったよヒイラギ。」

「あまりにも顔が真っ赤だったからな、ほら今もまだ赤いぞ?」

 少しからかうと、また少し顔を赤くしながらペタペタと自分の顔を触るドーナ。ランも言っていたがドーナはからかうと反応が面白い。

 思わず少し笑みがこぼれてしまう。そしてドーナはそれに敏感に感づいたらしく…。

「ッ~!!ヒイラギまで……もうっ、さっさと行くよッ!!」

「ごめん、ゴメンって!!お願いだから引っ張らないでくれ。」

 ドーナにガシッと手を捕まれ、子供達が走っていった方向へと引きずられるのだった。
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