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第三章
リリンによる説得の結果
しおりを挟むメイド達に料理を運んでもらって、俺とイリスはドーナ達を迎えに行くことにした。
「はぁ、嫌な予感しかしないんだよなぁ~。」
調理を始める前にリリン達がドーナ達を説得しに行ったことを思い出して憂鬱になる。何も起きないなんてことはありえないんだよなぁ。
「まぁまぁ、そんなに落ち込んでいても仕方がありませんよ?」
「そうだよな。少しでもいい方向に転んでることを祈るとするよ。」
とぼとぼとメイドの後に続いてドーナ達の部屋の前に着くと何やら話し声が聞こえてきた。
メイドさんがトントンと部屋をノックし、声をかけた。するとゆっくりと扉が開き、ひょっこりとランが顔を出した。
「あらヒイラギ?もう料理は作り終わったの?」
予想とは裏腹に、ランの様子は普段と何ら変わらない。
「あぁ、だから迎えに来たんだ。」
「そうだったのね、みんな~?ご飯の時間らしいわよ~。」
そうランが声をかけると、部屋の中にいたみんなが動き始め、シアが真っ先にこちらに飛び込んできた。
「えへへ~、料理作ったあとのお兄さん…いい匂い~。」
グリグリと顔を押し付けながら匂いを嗅ぐシア。ぽんぽんと頭を撫でていると、もう一人飛び込んでくる者がいた。
「シアちゃんズルいよ!!ボクもヒイラギさんの匂い嗅ぎた……ごほん。ボクもくっつきたい~!!」
そう言いながら飛び込んできたのはフレイだ。本音が駄々漏れだったのは気にしないでおこう。
「ヒイラギは子供に人気だねぇ~。」
「そうよね、子供に懐かれてるわね。」
ん?何か二人の言い方が変だった気がするが気のせいか?妙に子供という言葉を強調していた気がする。
そして最後にリリンがライラと共に部屋から出てきた。
「リリン、いったいどんな説得をしたんだ?」
「簡単よ?大人ってモノを教えてあげただけ。」
フフフ、とリリンは笑いながらそう答えた。
うん、なんだろうなこの胸騒ぎは……。ま、まぁ今はドーナとランの二人を説得できたから良しとするか。
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