上 下
259 / 1,008
第三章

ローストビーフ

しおりを挟む

 サラダの仕込みを終えたイリスのもとへと向かう。

「ありがとうイリス、それじゃあ1つ盛って見せるから同じのを10個頼んでもいいか?」

「任せてください!!」

 水気を切ったちぎった葉野菜とトマトを盛り付け、その上にパルメザンチーズ、ブラックペッパー、クルトン、オリーブオイルをかけて…シーザードレッシングをかける。

「よし、こんな感じで頼む。」

「わかりました。」

 イリスはすぐさま盛り付けに取りかかった。

「俺は今のうちにじゃがいもを揚げてしまおう。」

 しっかりと水気を切ったじゃがいもを180℃の油で揚げる。いわゆるポテトフライというやつだ。じゃがいもを揚げている間にステーキを切り分けていく。

 包丁をいれる度に肉汁が弾け飛ぶ。ウェルダンになっていない証拠だ。切り分けたステーキを皿に盛り付け、上から先程のソースをかけて完成だ。

 こちらは冷めないように温蔵庫の中へ入れておく。

 ステーキを盛り付け終わった頃にじゃがいもが揚げ上がった。ポテトフライは揚がってからすぐに塩、胡椒、粉末コンソメで味をつけて皿に盛り付ける。上から乾燥したパセリを振りかけて、こちらも完成。

「さて、そろそろ火が入ったかな。」

 温度計をモモ肉に挿し込み温度を計る。

「56℃、バッチリだ。」

 モモ肉を取り出してまな板の上に置く。後はひたすら薄くスライスしていくだけだ。チラッと出来上がった肉の量を見て、思わず苦笑いがこぼれてしまう。

(こいつはなかなか骨が折れそうだ。)

 出来上がったローストビーフをひたすらに包丁で薄くスライスしていく。

「ふぅ、後はスライスした玉ねぎを挟んで盛り付けるぞ。」

 スライスした肉で玉ねぎを包んで盛り付ける。大変な作業ではあったが何とかやり終え、上からステーキと同じソースをかけて……。

「ローストビーフの完成だ。」

 ふぅと一息ついていると…サラダを盛り付け終えたイリスが歩み寄ってきた。

「ヒイラギさん、お疲れ様です。」

「あぁ、イリスもお疲れ様。助かったよ。」

 今回はイリスのお陰で速く料理を仕上げることができた。一人でやればもっと時間がかかっただろうな。

「それじゃあ俺はシンを呼んでくるよ。」

 前掛けを外しハウスキットの扉を開けると…。

「ヒイラギ様お疲れ様でございます。お料理を運ぶのは私達にお任せください。」

 ハウスキットの前にはすでにメイド達がスタンバイしていた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

人間だった竜人の番は、生まれ変わってエルフになったので、大好きなお父さんと暮らします

吉野屋
ファンタジー
 竜人国の皇太子の番として預言者に予言され妃になるため城に入った人間のシロアナだが、皇太子は人間の番と言う事実が受け入れられず、超塩対応だった。シロアナはそれならば人間の国へ帰りたいと思っていたが、イラつく皇太子の不手際のせいであっさり死んでしまった(人は竜人に比べてとても脆い存在)。  魂に傷を負った娘は、エルフの娘に生まれ変わる。  次の身体の父親はエルフの最高位の大魔術師を退き、妻が命と引き換えに生んだ娘と森で暮らす事を選んだ男だった。 【完結したお話を現在改稿中です。改稿しだい順次お話しをUPして行きます】  

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~

樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。 無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。 そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。 そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。 色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。 ※この作品はカクヨム様でも掲載しています。

異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。 降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。 森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。 その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。 協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

処理中です...