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第三章
ローストビーフ
しおりを挟むサラダの仕込みを終えたイリスのもとへと向かう。
「ありがとうイリス、それじゃあ1つ盛って見せるから同じのを10個頼んでもいいか?」
「任せてください!!」
水気を切ったちぎった葉野菜とトマトを盛り付け、その上にパルメザンチーズ、ブラックペッパー、クルトン、オリーブオイルをかけて…シーザードレッシングをかける。
「よし、こんな感じで頼む。」
「わかりました。」
イリスはすぐさま盛り付けに取りかかった。
「俺は今のうちにじゃがいもを揚げてしまおう。」
しっかりと水気を切ったじゃがいもを180℃の油で揚げる。いわゆるポテトフライというやつだ。じゃがいもを揚げている間にステーキを切り分けていく。
包丁をいれる度に肉汁が弾け飛ぶ。ウェルダンになっていない証拠だ。切り分けたステーキを皿に盛り付け、上から先程のソースをかけて完成だ。
こちらは冷めないように温蔵庫の中へ入れておく。
ステーキを盛り付け終わった頃にじゃがいもが揚げ上がった。ポテトフライは揚がってからすぐに塩、胡椒、粉末コンソメで味をつけて皿に盛り付ける。上から乾燥したパセリを振りかけて、こちらも完成。
「さて、そろそろ火が入ったかな。」
温度計をモモ肉に挿し込み温度を計る。
「56℃、バッチリだ。」
モモ肉を取り出してまな板の上に置く。後はひたすら薄くスライスしていくだけだ。チラッと出来上がった肉の量を見て、思わず苦笑いがこぼれてしまう。
(こいつはなかなか骨が折れそうだ。)
出来上がったローストビーフをひたすらに包丁で薄くスライスしていく。
「ふぅ、後はスライスした玉ねぎを挟んで盛り付けるぞ。」
スライスした肉で玉ねぎを包んで盛り付ける。大変な作業ではあったが何とかやり終え、上からステーキと同じソースをかけて……。
「ローストビーフの完成だ。」
ふぅと一息ついていると…サラダを盛り付け終えたイリスが歩み寄ってきた。
「ヒイラギさん、お疲れ様です。」
「あぁ、イリスもお疲れ様。助かったよ。」
今回はイリスのお陰で速く料理を仕上げることができた。一人でやればもっと時間がかかっただろうな。
「それじゃあ俺はシンを呼んでくるよ。」
前掛けを外しハウスキットの扉を開けると…。
「ヒイラギ様お疲れ様でございます。お料理を運ぶのは私達にお任せください。」
ハウスキットの前にはすでにメイド達がスタンバイしていた。
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