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第三章
苦労人ヒイラギ
しおりを挟むその後俺は、リリン達を連れてみんなが待っている王宮へと向かった。辺りはすっかり暗くなってしまっている。
そしてシンがいる王都の城門へとたどり着くと、何人かの兵士がすぐさまこちらへと向かってきた。
「あなたはヒイラギ殿ではないですか!?シン様から戻り次第連絡をいれるようにと言伝が来ておりましたが……何かあったのですか?」
「あぁ、この子が外へ出てしまってな。捜しに行ってたんだ。」
シンは襲撃のことを兵士に知らせていないのか?不安を煽らないようにするためだろうか。
「そういうことでしたか。いや見つかって良かったです。ささ、王宮までご案内しましょう。」
「助かる。」
兵士の後をついていき王宮へとたどり着いた。王宮の前には連絡を聞きつけた様子のドーナとランの二人とシンが待ち構えていた。
「ヒイラギよその子共々無事で何よりだ。」
「勝手に飛び出してホントに心配したんだよ!?」
「まぁまぁ、結果無事で何よりよ。ヒイラギもシアもね?」
「心配をかけてすまない、ついあのときは我を失ってしまった。」
そう皆に謝った後で、ドーナ達にシアを預けるとシンに言った。
「シン、今回のことについて話がしたい。時間はあるか?」
「無論だ。」
「じゃあ二人ともちょっとシンと話をしてくるから、先にシアを連れて部屋に行っててくれ。」
「む~、わかったけど…。後でちゃんと構ってよね?」
と、ランが頬を膨らましながら言った。ドーナもコクコクと首を縦に振ってランの意見に同意している。
「わかった、わかった。何をしてほしいのか二人で話し合っててくれ。」
「やった!!」
二人はハイタッチをして喜んだ。できればあまり過激じゃないのでお願いしたい。
「すまない、じゃあ行こう。」
「うむ。にしてもヒイラギもなかなかの苦労者だな。」
「ま、大体俺が悪いんだけどな。」
こちらを見て笑っていたシンに苦笑いを返すのだった。
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