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第三章
ヒレ肉のピカタ
しおりを挟む「さて、次はこれを使おう。」
次にバッグから取り出したのは太いヒレ肉だ。
ヒレ肉は肉の部位の中でも希少性の高い肉で、豚や牛一頭からとれる量にはかなり限りがある。見たところこれ一本で5~6kg位はありそうだ。
相当大きい個体からとれたんだろうな。
「ただシンプルにステーキにしてもいいが、それだと少しつまらないな。」
これだけ大きいなら塩、胡椒だけで焼いても十分に美味しいだろう。だが、それだと面白くない。
俺の悪い癖だ。普通じゃつまらないから、何かしら別のものを加えて料理を引き立たせようと何かと考えてしまう。
頭の中の引き出しを次々に開けていろいろなレシピを引っ張り出していく。美味しく、素材の味を壊さない何か……。
「ピカタ……ピカタにしよう。これなら肉汁も漏れでないし、その分うま味も詰め込める。」
そうと決まればさっそく仕込みをしていこう。
まずはヒレ肉を2~3cmぐらいの厚さに切って並べていく。その上から塩、ホワイトペッパーで下味をつける。そして少し塩が馴染むまで置いておく。
「その間に卵液を作るか。」
卵を割って、パルメザンチーズ、パセリ、塩で味をつける。後はこれに肉を絡めて焼くだけだ。
塩が馴染んだヒレ肉に薄力粉をまぶして、卵液をたっぷりつけてオリーブオイルを馴染ませたフライパンで焼いていく。
軽く焼き色がついたらひっくり返して両面共に焼き目をつける。後は250℃のオーブンで8分程焼けば完成だ。
「肉をオーブンで焼いている間にコンソメスープと……あとはパンを切ってカリカリに焼いておくか。」
肉を焼いている間にパンを焼いてコンソメスープを作っておく。量が多いと一つ一つの料理も仕込みが大変だ。
だいたい8分程経過したのでオーブンから肉を取り出して火が入っているかを確認する。
「よし、大丈夫だな。」
ピカタを取り出して大皿に盛り付けていく。こうしてみるとかなり多い。まぁ約100名ほどの食事だ、このぐらいないと足りないだろう。
次はデミグラスソース煮込みを盛り付けるか。脂身がトロトロになり、肉はホロホロなったバラ肉を底の深い大皿に盛り付ける。
見映えよくパセリを添えて……っと。
後はスープとパンを盛るだけだな。量が多いから盛るのも大変だが、冷めないように手早く盛り付けていった。
「よし……終わった。ベルグを呼んで運ぶの手伝ってもらうか。」
さすがにこの量を一人では運べないので、ベルグを呼びに厨房を出るのだった。
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