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第三章
バラ肉のデミグラスソース煮込み
しおりを挟むその後、みんなには先にハウスキットの中で休んでもらい、俺は再び食料庫に来ていた。
「さて、いろいろな食材があるようだが……どれを使おうかな。」
食料庫の中で目につくのは肉ばかり、野菜はそんなに多くない。この様子から察するに獣人族の主食は主に肉なのだと察せられる。
一通り食料庫の中身を見て、何点か気が付いたことがある。まず1つ、ここには見たことが無いものがない。つまりは既存のレシピが十分に通用するということ。
そして2つ目は……。
「ここにある肉はずいぶんきれいに解体されているな。」
保存されている肉は各部位ごとに切り分けてあるんだが、全て適切な処理が施されていた。
肉の筋をしっかりと取り除いたり、余分な脂身をこそぎおとたりと、人間の国の肉屋で買った肉はここまでキレイに掃除はされていなかった。
そして3つ目、コレが一番気にかかった点だ。食料というわりには持ってきている肉が全て生肉だ。それに塩や胡椒などの調味料も見当たらない。
「まさか獣人族は肉を生で食べるのか?」
気になることは多いが、まぁこれだけ良い状態の肉があるんだ。これはしっかり使わせてもらうとしよう。
何種類かの肉の塊をバッグにしまい食料庫を後にした。
そしてハウスキットの厨房で早速調理を始めることにする。
「じゃあまずはこいつからだな。」
バッグからバラ肉の塊を取り出した。
「これは一口より少し大きいぐらいに切り分けよう。」
バラ肉は四角く少し大きめにカットし、塩、胡椒、ハチミツで下味をつける。ハチミツはよくすりこむようにすると肉が柔らかくなっていい。
「後は表面に焼き色をつけて、ワインとデミグラスソースで煮込む。」
肉に焼き色をつけ、赤ワインを入れアルコールを飛ばしてからデミグラスソースをいれる。この後は肉がホロホロになるまでひたすら煮込む。
その間に他の料理を作るとしよう。
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