転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)

しゃむしぇる

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第三章

獣人族の国での朝

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 出来上がったサンドイッチを持ってテーブルへと向かうと、すでにシアが目をこすりながら座っていた。

「お兄さんおはよぉ~。」

「あぁおはよう、よく眠れたか?」

「うん~お兄さんのおかげ~。」

 どうやらぐっすりと眠れたらしい。見張りを頑張った甲斐があるというものだ。

「お兄さん、それ今日の朝ごはん?」

 と、シアがサンドイッチを指さして問いかけてきた。

「あぁそうだよ。三種類違う味のを作ったから自分の好きなサンドイッチを見つけてみるといい。」

「ふわあぁぁぁ~楽しみ!!」

 きらきらと眩しいまなざしでサンドイッチを見つめている。

「さてと、じゃあ他のみんなを起こすか。」

 ドーナとランの肩を揺さぶり起きるように促す。

「朝だぞ~?グレイスも起きないと朝ごはん全部なくなっちゃうからな。」

「ふあぁ……ん~っ、おはよ。」

「おはようヒイラギ、見張りは大丈夫だったかい?」

「あぁ二人ともおはよう、怪我もないし大丈夫だ。」

 二人にあいさつを終えると、寝ぼけているグレイスがふらふらと飛びながら、俺の肩にとまった。

「ヒイラギさんおはようっす~。まだ自分の朝ごはんあるっすか?」

「おはよう、安心して大丈夫だ。まだ誰も食べてないから。」

「よかったっす~、安心したっす。」

「さ、食べよう早く食べないとパンがカピカピになっちゃうぞ?」

 俺の言葉を聞いて、みんないそいそと席につく。そしてテーブルの上に置かれたサンドイッチを眺めて、ランが首を傾げた。

「これは、なんて料理なのかしら?」

「これはサンドイッチ、パンに好きな具材を挟んで食べる料理なんだが……今回は俺のオススメの組み合わせを三種類用意したから、どれが自分の好きな味か確かめながら食べてみると面白いと思うぞ?」

「面白そうね、楽しみだわ。」

「よし、じゃあ食べよう食べよう。」

 みんなで手を合わせ……。

「「「いただきま~す!!」」」

 そして、みんな各々気になる具材のサンドイッチを手に取り食べ始めた。俺はたまごサンドを手に取り口へ運んだ。
 うん、これは安定の美味しさだな。時折きゅうりのシャキシャキとした食感がアクセントになってとても美味しい。

 シアもたまごサンドが気に入ったようだ。目をキラキラさせながら食べている。

 みんな三種類すべてを食べ終えた後は、自分の好みの具材のサンドイッチを食べていた。好みがいい感じに分かれたため、偏ってサンドイッチがなくなる事態にならなくてよかった。

 そして獣人族の国での初めての朝を過ごすのだった。
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