181 / 1,052
第ニ章
ジュエルサーモンのちゃんちゃん焼き②
しおりを挟む今回使う調味料を目の前に並べていく。
「今回使うのは味噌と味醂と砂糖、醤油、おろしにんにく…この五つだ。」
「うーん…わかった!!」
「今回は混ぜながら計らないといけないから、シアが混ぜてもらってもいいか?」
「まぜまぜ得意!!」
ボウルと泡立て器をシアに渡し最初に固形の味噌から入れ、その次に砂糖と味醂を入れて味噌を伸ばしてもらう。
「ま~ぜま~ぜっ♪」
味噌がすっかり液体状に伸びたら、残りの醤油とにんにくを入れて味を調える。合わせ調味用を軽くスプーンですくって味見をする。
「うん、これでいい。」
味を確かめているとシアがじー…っと指をくわえながらこちらを見ていた。
「シアも味見したいのか?」
コクコクと頷き肯定するシア。
そういうことらしいので、シアにも一口味見させてみることにした。
「ほら口開けて。」
「あーん……美味しいけど、ちょっとしょっぱい?」
「そうだな、今は少ししょっぱい。でも料理が完成したらちょうどよくなるんだ。」
「楽しみ~。」
ここで味をちょうどよくつけてしまうと、完成したころには野菜からの水分と甘みで味が薄くなってしまうため、少し濃いめに味を付けていたのだ。
「ヒイラギ~こっちも終わったわよ。」
どうやら二人の方も野菜を切り終わったらしい。これならみんなで盛り付けに入れそうだな。
「ありがとう、それじゃあみんなで盛り付けをしよう。」
「「「おー!!」」」
シアが先にジュエルサーモンを耐熱皿に並べていき、その上にドーナとランが切った野菜を乗せていく。そして最後に俺が合わせ調味料を上からかけていく。
盛り付けが終われば、あとは200℃に熱したオーブンでじっくり焼いていくだけだ。
じっくりと焼き野菜の表面に少し焦げ目がつき、底の方がぐつぐつとしてきたら火が入った証拠だ。焼きあがったちゃんちゃん焼きをオーブンから取り出すと、香ばしい焦がし味噌の香りが広がった。
「ふわあぁぁぁ~、いい匂い。」
「お腹減ったっす~!!」
今にも出来上がったちゃんちゃん焼きにかぶりつきそうになっている二人。香ばしい味噌の香りが食欲を刺激しているのだろう。
「さぁ、あったかいうちに食べよう。ご飯はそこから食べたい分だけ盛ってくれ。」
そう言うと、みんな炊飯器のほうに向かって行った。
その最中出来上がったちゃんちゃん焼きをいつものテーブルに運んでいると、自分のお椀を持ったイリスとすれ違う。
「私も行ってきますね♪」
「あぁ、好きなだけ盛ってくるといい。」
そして各々好きなだけご飯をよそったのち、みんなでテーブルを囲むのだった。
71
お気に入りに追加
634
あなたにおすすめの小説
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活
ゼウママ
ファンタジー
50歳目前、突然異世界生活が始まる事に。原因は良く聞く神様のミス。私の身にこんな事が起こるなんて…。
「ごめんなさい!もう戻る事も出来ないから、この世界で楽しく過ごして下さい。」と、言われたのでゆっくり生活をする事にした。
現役看護婦の私のゆっくりとしたどたばた異世界生活が始まった。
ゆっくり更新です。はじめての投稿です。
誤字、脱字等有りましたらご指摘下さい。
幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~
月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。
「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。
そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。
『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。
その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。
スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。
※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。)
※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる